トルコ・ルネサンス
トルコ中央銀行は23日、政策金利を50%に据え置くと決定しました。またインフレリスクを引き続き警戒しているとし、数カ月間は政策変更は行われない可能性が高いとの見方を示しました。
1年にわたる積極的な引き締めサイクルの効果が出るには時間がかかると見られる中、据え置きを決定。据え置きは2会合連続で、予想通りだった。
中銀は3月に500ベーシスポイント(bp)の利上げを決定。昨年6月以降、合計4150bpの利上げを実施している。
中銀は「インフレリスクに引き続き細心の注意を払っている」とし、「月次ベースのインフレ率の基調的な傾向が大幅、かつ持続的に低下するまで」引き締め姿勢を維持すると改めて表明した。
また、『ユルマズ副首相は、エルドアン大統領の全面的な後押しを背景に、インフレとの闘いを続けるトルコの財政緊縮策による予算削減額が予想を上回るとの見通しを示した。
ユルマズ氏は、夏季に物価上昇が和らぎ、長年の物価高騰を経てインフレ率の沈静化に懐疑的になっているトルコ国民を納得させるのに役立つだろうとの見方も示した』と伝えています。
声明内容を見る限りインフレが低下するまでは高金利で対応するということなので、トルコリラに関しては買いで勝負して良さそうですね。
S&Pグローバルの経済担当、アンドリュー・バーチ氏は「今年第4・四半期まで金利変更はない」との見方を示した。
今後に関しては、まずは来月発表されるトルコ消費者物価指数の内容次第ということになりそうです。
外国人投資家がトルコ向け投資を拡大している。金融政策正常化の流れが一段と定着する中で、特に注目されているのは国内債券とクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)だ。
ほぼ1年前、再選を果たしたエルドアン大統領は1期目に行ってきた経済理論の主流に反する政策を大転換し、市場の要求に沿ってインフレ抑制のための大幅な利上げを支持。これを受けて中央銀行が昨年6月以降、政策金利を計4150ベーシスポイント(bp)も引き上げた。中銀は23日の会合で金利据え置きを決めたものの、インフレリスクへの警戒姿勢は解いていない。
バンガードで新興国市場商品共同責任者のニック・アイジンガー氏は「現在投資家はかなり積極的にトルコへ戻ってきている。相当多くの資金流入が続いているところだ」と述べた。
アイジンガー氏は、通貨リラと国内債をそれほどの規模ではないが買い持ち、クレジット商品についてはかなりの買い持ちにしているという。
シティ・コープのアナリストチームも、政策転換がトルコ資産に対する外国人投資家の関心を高めたとの見方を示した。
リサ・コスタ氏は顧客向けノートに「現在は、国内債から外債、社債、株式に至るまでのトルコ市場がルネサンス「再生復興」している局面とみなしている」と記した。
実際トルコの主要株価指数は年初来で46%強上昇し、この間に銀行セクターが80%前後も跳ね上がってけん引役を果たした。
政府債のリターンは年初来4%強と、JPモルガンGBI-EMグローバル・ディバーシ指数の1%弱を大きくアウトパフォームしている。
リラは年初来ドルに対して8%余り下落したものの、4月半ばを底に落ち着きを取り戻した。アイジンガー氏は「実質ベースでリラは上昇している。これは好材料で、インフレ抑制に効果があるので当局もそれを望んでいる」と指摘した。
バンカメもトルコリラロング推奨レポートを出しています。
上記の記事によるとトルコキャリー取引が復活しており。大幅な利上げが功を奏しており、リラのロングは10%以上のリターンがあり過去6カ月の新興国市場で最も好調な取引になっているそうです。
スワップを含めると10%程度どころじゃないと思えるのですが、とにもかくにも今が絶好の買い場なのかもしれませんね。