古墳巡礼・近畿編 123 摂津巡礼14 | ロック古典主義

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 摂津巡礼14(伊丹市柏木町)2024年4月25日  

 

 阪急伊丹線の塚口と稲野駅のちょうど中間の西側に、周囲を民家に取り囲まれた円墳状の塚地があります。 

 規模は直径38ⅿ、高さ6ⅿで、全体が墓地となって一部が崩れ、墳頂部は平らに削り取られています。墳丘の形態及び規模や主体部の構造については不明でしたが、墳頂部の縁辺で円筒埴輪の破片が見つかり、古墳時代中期の古墳であることがわかりました。

 規模が御願塚古墳の後円部の規模に相応することから、御願塚級の古墳として、猪名野古墳群の1基をなしていた重要な古墳だったと考えられてきました。 

 平成7年の阪神・淡路大震災後、古墳の南西側にマンションが建設されることになり、同年8月から9月までの間、市教育委員会による発掘調査がおこなわれました。古墳めぐり: 柏木古墳

 その結果、墳丘の外周とされていた部分より西側17mの地点で、幅約11ⅿの周濠が検出された。上部は削平され、残存していたのは40㎝程度でした。続・竹林の愚人 柏木古墳また埴輪片も採集され、この墳丘が間違いなく、古墳であることがわかりました。さらにこの古墳は直径55mの規模で、円墳とすれば兵庫県内最大級の規模だとされます。 古墳めぐり: 柏木古墳

 また、さっき辿ってきた細道はなんと塚口(尼崎市)と有馬温泉を結ぶ旧有馬道だったというではありませんか。 

 これだけの規模の古墳がここまで改変されながらも、何とか原形をとどめていることに感動します。できることなら墳頂部の墓地化を食い止めて、保存できるといいのですが、難しいでしょうね。 

 10年後の柏木古墳の姿をもう一度見たいものです。