160円から急降下‼
先週の本稿では、 ついに「米ドル一強時代」到来?かと予想したのですが、どうやら本物のようです。
先週末のドル円は、神田財務官の口先介入『kandervention』への不必要な心理戦から解放された市場が、前日イエレン米財務長官のもっともなドル高の理由を確認した上で、これもまた、植田総裁のもっともな「ここまでの円安は基調的な物価上昇率に大きな影響を与えていない」との見解を確認、安心して円売りに専念した。
植田総裁の会見終了と同時に、前回の介入を想定した、いわゆる日銀プレーがある意味当然のように展開されたわけですが、約2円の急落後の急速な3円買戻しといった乱高下に見舞われました。
その後は高値圏でのもみ合いを経て、NY勢が参入すると再び高値を試す展開となっていきました。引けにかけては158.00円のSLを付ける動きとなると158.44円まで買い上げられて週末の取引を終えています。
GWで東京市場が休場となっている週明けのアジア市場では、早朝のオセアニア市場で一時157.83円まで下押しする場面もみられましたが、その後は158.43円まで買戻されているといったところです。
本日午前のドル円は10時半に瞬間160円超えを記録し、その後は159円台前半で推移。東京勢不在の中活発な動きになっています。
いずれにしても、今後はガチな介入の水準を模索することになりますが、イエレン米財務長官にボールが渡されている以上、米国が「行きすぎた無秩序な動き」と認めない限り、水準などは関係なくなっているという認識を前提としなければならず、かつ、「very rare and exceptional circumstances」(非常にまれで例外的な状況)のみに与えられるinterventionのハードルは考えている以上に高い所に位置しているといえます。
それ以上に介入しても効果は一時しか持たず、その後には一段の円高に陥る可能性が控えていて、市場介入が躊躇われている。その意味では政府日銀の見識とも言えます。
市場は既に、今週のFOMCや週末の米雇用統計に焦点を移しつつありますが、ドル円は目先、プラザ合意を受けた急落後の最初の戻り高値である1990年4月17日の高値160.20円(ボイスブローカーでは160.35円)がチャート上で重要な目処になっている。下値では先週末の植田総裁会見時につけた高値156.82円や一目転換線が位置する156.02円付近がサポートレベルとして意識されています。
この159円台はクロス円通貨にも影響を与えています。筆者建玉
メキシコペソ、トルコリラにも恩恵をいただき、月初来最弱通貨であったペソは10日前の8.40円から9.26円までV字回復です。
リラ買い支えを続けていたとされるトルコでも4.67円から4.87円まで改善され、円安効果効果てきめんです。この結果筆者口座維持率は先週末の1368%までの落ち込みから1466%と過去最高水準を記録しています。
好循環はオセアニア通貨にも波及しており、お遊び口座でロングしているNZドル円も91.0円から95.0円へと4.4%上昇して、口座維持率も1388%まで急上昇中です。
ところが、東京時間13時からドル円急降下。14時には155円まで
5円の暴落。強引な買いが入っているらしく為替介入が実施されたと思われます。市場の健全な動きをかき混ぜる介入は感心しません。
某邦銀予想では、年末のドル円相場を年内のFRI金利切り下げが
なければ160円、2回だと158円、4回だと155円と予想しており
現状では158円が適正水準といえそうです。