清 算 衝 動
やっぱやりましたね。ドル円の150円ブレイク。
米消費者物価指数が市場予想を上回ったことで、ドル買いが加速し一気に跳ね上げています。
しばらく続いた鈍い動きから放たれた形になり一気に150.8円台までぶっ飛んでいますね。
節目の150円台を突破してきたことで、財務省の介入警戒感も気になるところ。実際に鈴木財務相や神田財務官が、いつも通りの発言を行っていた。しかし、市場では実弾介入にはまだ距離があるとの見方が多い。155円付近までは心配しなくても良さそうだとの見方も出ています。ほんまかいな。
市場の状況が秩序を欠いているようには見えず、財務省が介入を実施した2022年当時と比べれば、ボラティリティはまだ低いとの
ことで、まだ円独歩安の雰囲気でもない。
市場では日米金融政策の変更に対する行き過ぎたセンチメントを当局の意向にすり寄せる動きが続いているわけですが、先週の内田日銀副総裁の発言に続いて、一昨日は極めて強い米インフレ指標を受けた修正が急速に行われたといったところです。それでもまだ、市場の米金利引下げ観測と当局の意向とはかけ離れているわけで、今後も修正局面が続いていくことになりそうです。
それにしても、早朝の神田財務官の発言は、朝駆けの記者に登庁を狙われて答えたのでしょうが、「災害対応と同じ」で「24時間365日準備態勢を整えている」とは、市場の失笑を誘っています。
1月1日の震災と同時に上昇局面にあるドル円をかけてのコメントでしょうが、「飛行機のなかからでも」や「スタンバイです」なら、まだある種のセンスを感じることが出来ましたが、これでは単なる品格のないベタな発言に過ぎず、市場が「全く反応しなかった」のも当然の結果といえます。
それでは市場関係者の見立てを拝見しましょう。
海外投資家はマイナス金利解除後も利上げ続き0.25%までいくとの見方もあるんですね。実は海外投資家の間では、マイナス解除後も利上げが続くとの見方が多い。日本の政策金利の予想はロンドン証券取引所のスワップ市場の値動きデータが参考になるらしい。
年末12月時点の政策金利予想は0.14%。実際のマーケット参加者からは0.25%まで引き上げられるとの見方が強まっているようだ。そうなれば国内長期金利は1.0%レベルまで「チャレンジング」することになるんでしょうか。
1月から大幅に拡充された日本の個人投資家向け非課税制度は、米国債利回りの上昇を抑制しているほか、今年はきっとあると予想されていた円相場の反発を遅らせています。
野村証券のアナリスト氏は、少額投資非課税制度(NISA)の拡大が2024年の円の対ドル相場を5円押し下げるとの見立てだ。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券のストラテジスト氏は、新NISAの影響で1月に円が対ドルで1円下がった可能性が高いと述べた。
UBS証券では、市場で大注目を集めた日銀内田副総裁の講演に関して、政策正常化の開始を前に、日銀が何を考えているか様々な示唆を与えたとコメントしている。UBSでは4つのメッセージを
受け取ったとしており、最も重要なポイントとして「マイナス金利政策の終了は、緩和的な政策スタンスの終了ではない」ということを挙げている。UBSでは3月19日ではなく、4月26日に日銀が政策金利を現行の-0.1%から0.0%に引き上げ、その後、今年7月に25bpの利上げを実施するとの見方を維持している。ただし、後者の利上げは遅れるリスクが高いとしている。
東海東京調査センターでは米国株に関するリポートの中で、VIX指数が示すボラティリティから、米株市場が安定した上昇相場に
入っていることを指摘している。一般に株価が急激に動く(ボラティリティが高まる)のは、リスク回避の動きが高まった時(株価は急落)であることが多く、また、株価の急伸は往々にして急落の後の反発であるケースが多い。
したがって、ボラティリティが高まっている相場環境下での株価は不安定で軟調、逆に低位で安定している環境下での株価は底堅く堅調であることが多い。足元のVIX指数は、昨年終盤から継続して10台前半の水準で推移しているとのこと。これは、足元の上昇相場が安定感を伴った「本格的なもの。」であることを示唆していると東海東京では捉えている。ほんまかいな。
一方、昨日の日経平均株価は34年ぶりの3万8千円超えとなり、
筆者投資信託も数字上は過去最高益を記録しました。が、株価上昇の度に30数年ぶりとどんどん古くなるのも異様な光景ですね。
最後に、ドル円相場の急騰を受けて、わが心のメキシコペソ円も
ぐんぐん延びてNY時間を8.80円で閉じています。筆者史上最高値であり、20年4月の急落局面でロスカットと底値買いの挙句掴んだ100万ペソが207%まで膨れ上がっています。
一般的に相場の動きが鈍くなってくると金利差が効いてくるようになる。つまり、スワップポイントにより注目が集まるようになるということです。現在、メキシコペソ円が抜けそうな状況になっているが、こうした経済が安定していて高金利の通貨の優位性は今後も続くと考えている。メキシコペソ円は8.8円をしっかり抜けてくると次のステージに入り、9円を超えてくることも期待できそうだ。
本日、欧州時間でのドル円は150.12円まで戻し、筆者の口座維持率は1,345%まで延び、清算衝動を抑えるのに難儀します。
東海東京の見立て違いやったらほんま怒るで。