映画館で予告編まで流していたのに突然公開中止となってしまった「M3GAN/ミーガン 2.0」。
予告編で滑空して敵地に向かうミーガンの雄姿に、
ミーガンがダークヒーロー化か、とものすごく期待していたので本当に残念でした。
理由につては本国での大コケや不評からではないかと取りざたされました。
製作費推定2500万ドルに対して世界興収3900万ドルというのは、
確かに不本意な数字でしょうが、
もっと悲惨な成績の作品はざらにあります。

1作目と違うテイストの作品に仕上がっていて、
1作目のサスペンス・ホラーを期待した観客に受けいれられなかったということはあるかもしれません。
ただ、Imdbの得点は1作目の6.3に対して2作目が6.1と、
ものすごく不評というほどではありません。
1作目の知名度を考えれば無名な新作を公開するよりはメリットがあるように思えます。
それでも劇場公開中止に踏み切った要因は、
公開中止の記事の中で配信やソフト発売の質問に対して、
配給会社が配信やソフト発売は別会社の取り扱いとなるので分かりませんと答えていたことにあるのではないかと思います。
かってレンタル市場がメインだった時代には
劇場公開作品と未公開の作品とでは出荷数が大幅に違ったことから、
劇場公開作品というレッテルのために〇〇フェスティバルなどと銘打って特集上映を行うことがよくありました。
カルト的人気を誇る「死霊のしたたり」(1985)も当初はこうした限定公開だったと記憶しています。
このような上映方法は新宿シネマカリテやヒューマントラスト渋谷などで現在も続けられています。

これは劇場公開、配信やソフト発売が同じ会社であるからこそのメリットといえるでしょう。
劇場公開、配信、ソフト発売が別会社であれば、
リスクをおかして劇場公開しても、他社の宣伝をする結果になってしまうので、
公開を中止した方が損失が少なくて済むという判断は間違っていません。
業界の事情には疎いのですが、
この傾向が続くようだと
中小の配給会社は苦境に立たされるのではないでしょうか。
映画が邦高洋低と言われて久しくなります。
昭和のころは逆で邦画のヒット作はわずかで、興業の主流は洋画でした。
角川映画の台頭でようやくメディアミックスが行われ始めたくらいです。
AIに聞いたら邦高洋低に転じたのは2007年頃ということでした
洋画への不安は、これだけではありません。
近年は精力的に邦画を製作して東宝、松竹、東映に続く準大手となった印象のワーナーが、
洋画配給につては撤退して東宝系列の東和ピクチャーズが配給することが発表されています。
東宝系列ではすでにユニバーサル、パラマウントの作品も配給していて、
作品が集中すれば公開が見送られるケースも出てくるのではないかと懸念されています。
できれば映画館の大画面・高音質で映画を楽しみたいと思っているので、
少しでも多くの作品が劇場公開されることを願っています。


