未公開というか、劇場でかなり予告編流してたのに公開中止になってしまった作品です。
そのあたりの考察は、また別に機会にして今回は作品内容について書きます。
冒頭では軍事目的で製造されたロボット・アメリアの暴走が描かれます。
一方、前作でさんざんな目にあったジェマはすっかりAI恐怖症に陥っていて、
娘のケイディにもスマホやパソコンの使用を禁止しています。
まあ、現代っ子のケイディは家族写真に偽造したタブレットを隠し持っているのですが。
ケイディは護身術も習得していて伏線の一つになっていました。
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ある晩、ジェマ家は武装集団の襲撃を受けます。
指揮官はFBIのサトラー捜査官でした。
アメリアは流出したミーガンの設計データをもとに製造したものっだったというのです。
とはいえ武装して侵入するまでの必要性はないように思えました。
すぐに退散して、その後はほとんど直接には関わってきません。
破壊されたはずのミーガンはサーバ内に逃げ込んで生き残っていて、
すっかり進化を遂げていました。
ミーガンは、ジェマにアメリア事件の捜査協力を申し出て、
代償として体を要求します。
ミーガンが信用できないジェマは、ミーガンのAIを身動きの取れない家庭用のコンパニオンロボットに移植しました。

アメリアが富豪アルトンが主催するパーティに潜入するという情報を得たミーガンは、
ジェマと彼女の協力者コールとともに会場に向かいます。
しかし、アメリアはアルトンを殺害し、彼のサーバーを乗っ取って、全米約半分の制御能力を手にしました。
ミーガンは、ジェマの家の隠された地下室をネットからも隔離されたシェルター化していました。
いくら進化したとはいえボディのないミーガンがどうやって作ったのかは最大の謎です。
このシェルターでジェマはミーガンの新しいボディを作り上げました。

ミーガンの得た情報では、
アメリアの真の目的は、アルトンがその製作に関わった基本プログラムを入手することでした。
アメリアが、そのプログラムを手に入れれば無限に自分の分身を製造して、
世界を破滅に導くことさえ可能になります。

そのプログラムのありかを反AI活動家クリスティアンが知っているとつかんだミーガンは、
”ミーガンコスプレの女”に化けて彼のパーティに乗り込みます。
パーティ会場で披露したミーガンダンスが受けて、
調子に乗ったミーガンが頭を固定して体を回転させてしまい客を凍りつかせる小ネタが楽しめました。
ここでもアメリアに先を越され、クリスティアンを訪問していた中国大使が殺され、
ケイディも誘拐されてしまいます。

クリスティアンの協力を得てプログラムがゼノックス社の隔離されたサーバーに保存されていることを知ったミーガンは空中を滑空してゼノックス社の研究所に乗り込んでいきます。
予告編でも使われたこの雄姿はメチャクチャかっこいいものでした。
と、ここまででも全体の4分の3足らずで、さらに物語は二転三転していきます。

前作とは全く違うテイストの痛快アクションで、
ものすごく楽しめました。
コメディ感覚に満ちているのも魅力で、
すっかり進化したミーガンが、ジェマに皮肉っぽい口をききまくるのが笑えます。

ミーガンが車の制御を乗っ取って話す場面には「ナイトライダー」(1982~)風の音楽が流れ、
骨格化したアメリアが襲ってくる姿は「ターミネーター」(1982)のようです。
イスに座るアメリアは映画史上の名作「メトロポリス」(1926)のマリアを連想させるし、
断たれたアメリアの手が指を使って走る場面は「アダムス・ファミリー」(1973~)のオマージュかもしれません。
ジェマがロボット制御のボディスーツを着て戦う場面もあって、
本人が気絶しているのにボディスーツが起動して戦う姿は、
「鬼滅の刃」(2019~)の我妻善逸のオマージュ、ではないのでしょうが、
酔拳っぽい動きが楽しめます。

窮地に陥ったケイディを、ジェマがスティーブン・セガール出演作のタイトルを連呼して、
その身体能力を覚醒させるという小ネタもありました。
一般の評価は分かれているようで不評も多く、
前作のホラーテイストを期待した観客は肩すかしを食わされた気分になったかもしれません。
かなりテンポが早く展開していくので、目まぐるしすぎると感じる人がいたことも想像できます。
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興行成績不振でシリーズ化は止まったようですが、
なかなか気分のいいラストだったので、
それでよかったという気持ちもあります。



