映画感想 「ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝」(ネタバレあり) | 隅の老人の部屋

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サム・ライミも製作に加わったヴァイオレンス・アクション・コメディです。
確信犯的おバカ展開で脳みそを空にして楽しむ作品となっていました。

独裁者ヒルダ(ファムケ・ヤンセン)とその一族が支配する都市、
そこで母親を殺され、自らも声と聴力を奪われたボーイ(ビル・スカルスガルド)は、
森に住む老師シャーマンに助け出され、
復讐を誓って修行を積みます。
修行シーンは香港カンフー映画のパロディー的に描かれていて、
銃火器を使ったガンフー要素も加えられています。

ボーイは生死も不明な妹ミナの幻影を見るようになっていました。
ミナの幻影はお茶目でボーイの行動を邪魔したり、
背中に蝶の羽をつけた忍者コスプレを見せたりもします。

まあ、お茶目なのはボーイも同様で、

復讐の怨念に燃える一方、

自分の声がわからないので、

子供のころの記憶にあるゲーム音声で心の声を表してみたりします。

やがて成人したボーイは街でヒルダ一族の暴虐を目にして、
シャーマンが止めるのも聞かず、
敵地に乗り込んで行きます。

そこではシリアル食品会社とのコラボイベントが開催されていて、

可愛い着ぐるみの敵たちと首や手が乱れ飛ぶ血みどろな戦いとなっていきます。

そこにはレジスタンスのバショーも潜入していました。

二人は合流してレジスタンスのアジトに向かいます。

レジスタンスといってもバショーとベンの二人だけ、

バショーはやけに軽いノリで、

ベンの言葉は読唇術が得意なボーイにも読み取ることができず、

実際に何を言っているのか分かりません。

とにかく三人はヒルダの本拠地に乗り込み最終決戦に臨みます。

とまあストーリーはこれだけ、
妹ミナについては序盤から予想がつきますが、
終盤にはさらに意外な展開も用意されていました。
それ自体はどうというほどではありません。
これによって最強の敵とのラストバトルを用意するための工夫と感じました。
まさに死闘と呼ぶべき闘いが繰り広げられます。

主演のビル・スカルスガルドは、
ノスフェラトゥ」(2024)のノスフェラトゥことオルロック伯爵役と知って、
イメージの違いに驚かされました。
「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」(2017)では殺人鬼ベニーワイズを演じていました。
俳優一家の出身で、父親や兄弟も活躍しているようです。

スシタイフーン作品や「ヘルドライバー」(2010)、「片腕マシンガール」(2007)にも共通したテイストを感じさせる、
マニアックな作品に仕上がっていました。