ダレン・マクギャヴィンの思い出 | 隅の老人の部屋

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思い出や日々の出来事を書き込んでいこうと思います。

 

ダレン・マクギャヴィンは多くのテレビドラマに出演しているので、
それまでにも見たことがあったとのだろうと思いますが、
名前を覚えたのはテレビシリーズ版の「事件記者コルチャック」(1974~)を見たときでした。

少々くたびれた印象もある中年記者がつぎつぎと怪奇事件を解決していく、
ちょっとユーモラスな演技ぶりが魅力でファンになりました。

ダレン・マクギャヴィンが最初に主演したテレビ・シリーズは30分ドラマ「Crime Photographer」(1951)で、ニューヨークの新聞カメラマンに扮しました。

その後、「慕情」(1955)、「黄金の腕」(1955)といった有名作にバイプレイヤーとして参加したのち代表作の一つとなるミッキー・スピレーン原作のシリーズ「マイク・ハマー」(1958~)に主演します。
この作品は観たことがないのですが日本でも放送されて人気を博したようです。
暴力的で女好きという典型的なハードボイルド探偵役を、
ダレン・マクギャヴィンの持ち味であるユーモラスさがうまく中和して一般視聴者に受けいれられましたが、
原作ファンの中にはイメージが違うと不評もあったとのことです。

「マイク・ハマー」の終了直後には日本未放送の西部劇「Riverboat」(1959~)に主演しました。
19世紀のミシシッピー河を舞台に、ポーカーで巻き上げたリバーボートで仲間たちとともに冒険を繰り広げる、ちょっと異色のウェスタンだったようで第1シーズンにはバート・レイノルズもレギュラー出演していたとのことです。

次の主演シリーズは「はみだし野郎/アウトサイダー」(1968~)で、
「事件記者コルチャック」よりかなり後に深夜放送で見たので、ずっと新しい作品と思っていました。
おそらく再放送だったのでしょう。
具体的なストーリーは全く覚えていないのですが、
ロスを舞台に孤独に生きる探偵を主人公としたハードボイルドミステリで、
傑作と感じながら見ていた記憶があります。
あらためてネットで調べたら当時の探偵ものには珍しく社会的なテーマも取り上げ、
視聴率は伸びなかったが高い評価を得たシリーズということでした。

そしていよいよ「ナイト・ストーカー」(1971)、「ナイト・ストラングラー」(1972)2作のパイロット版を経て「事件記者コルチャック」に主演します。
シカゴを舞台に中年の記者コルチャックが次々と怪奇事件に巻き込まれ、
なんとか解決して生き延びるが、記事としては全てボツになってしまうというユーモラスなホラー・シリーズでした。
全20話というアメリカ製ドラマとしては中途半端な話数で終了してしまったので、
当時は本国で人気がなかったのかと思っていました。
原作者ともめて製作中止になったと知ったのはネット時代になってからです。
「X-ファイル」(1993~)にも影響を与えたという作品だけに残念なことをしました。
この作品には「ナイト・ストーカー」(2005~)というリメイク版もあるようですが見ていません。
ジョニー・デップ主演で映画化するという企画が発表されたこともあったようです。

ダレン・マクギャヴィンが出演したホラー・ドラマには「恐怖の館」(1971、テレビで見たときは「ヘキサゴン」というタイトルでした)というTVムービーもあります。
テレビ用なのでスティーヴン・スピルバーグ監督、「燃えよドラゴン」(1973)のロバート・クローズ脚本という布陣のわりには、おとなしめな作りでしたが、
「ポルターガイスト」(1982)に通じる部分があるとして評価されているようです。

 

 

ダレン・マクギャヴィンは主にテレビ界で活動したので、映画では脇役を多く務めました。
代表作はアーノルド・シュワルツェネッガーが主演した「ゴリラ」ではないでしょうか。
元FBI捜査官の主人公がギャング組織に潜入して壊滅させるB級アクションで、
ダレン・マクギャヴィンはギャングの襲撃を受けて重傷を負う上司を演じています。
彼が回復の兆しを見せるラスト・シーンにはほっとさせられました。

 

 

「ゾンビ・コップ」(1988)、「キャプテン・アメリカ/帝国の野望」(1990)では悪役を演じています。


ダレン・マクギャヴィンが悪役を演じると、大物感がなく、どこか憎めないキャラクターになってしまいます。
人柄が出てしまうのでしょう。

晩年の作品で印象的だったのはランス・ヘンリクセンが主演した人気ホラー・シリーズ「ミレニアム」(1996~)へのゲスト出演でした。
主人公フランク・ブラックの父親役で登場し、
エピソードのラストは、死者を黄泉の国へと送るバスの停留所に辿り着いたフランクが、
バスに乗り込む乗客の中に父親を見つけ、その死を知るという印象的なものでした。
(ダレン・マクギャヴィンの名前はダーレンと書くのが正確らしいのですが、私にはダレンの方がなじみ深くなっているので当ブログではダレンに統一しています。ご了承ください)