映画感想 3部作完結編、今度はハリウッド「MaXXXine マキシーン」(ネタバレあり) | 隅の老人の部屋

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ミア・ゴス主演によるヒットホラー3部作の完結編です。
まあ人気があるから続けたそうで、最初から3部作という構想ではなかったようなので
絶対続きがないとは言えない気もします。

1作目「X エックス」(2022)は1979年の田舎の農場を舞台にハードコアポルノを作って一儲けしようとする撮影チームが殺人鬼に襲われるスラッシャーホラーでした。

 

 

2作目「Pearl パール」(2023)は時代設定が1918年にさかのぼり、テキサスを舞台に殺人鬼の誕生を描いたホラードラマでした。

 

 

そして今回の作品では再び1作目のヒロイン・マキシーンの物語となります。
1985年、ハリウッドでコードコアポルノの人気スターとなったマキシーンは、
さらなるステップアップを目指して一般映画のホラー・ヒット作「ピューリタン」続編のオーディションを受け合格します。
一方、その頃ハリウッドでは「ナイトストーカー」と呼ばれるシリアルキラーによる連続殺人が起きていました。
マキシーンの周囲では1979年の事件を知る何者かが動き始め、
怪しげな探偵につきまとわれたたうえ、
彼女の知人が次々と殺されてしまいます。

「ナイトストーカー」は実在の殺人狂ということなので、
もう一つの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019)ともいえる傑作に仕上がっていました。
1作ごとに趣向を変えて、しかも完成度を高めていくタイ・ウェスト監督の手腕にはうならされました。
犯人自体は序盤で見当ついてしまいますが、
ドラマ的に完成度が高くてキャスティングも良いのでラストまで一気に見せてくれます。

ミア・ゴスは冒頭のオーディション・シーンから演技の上手さを披露して、
自分らしさを貫き、敵対する者には容赦しないキャラクターを具現化していました。


もう一人のタフなキャラクター、男尊女卑な当時のハリウッドを生き抜く女流監督を演じたエリザベス・デビッキも見事な存在感を放っています。


ケヴィン・ベーコンの、いかにも胡散臭い探偵ぶりも良いアクセントになっていて、あっけない退場にも驚かされました。


リリー・コリンズはカメオ出演程度ですが、血のりべったりでも輝きを放っています。
俳優になりそこなった過去を持つブラフの下手な刑事とか、脇のキャラクターも楽しく作り込んでありました。

序盤でバスター・キートンのコスプレをした変質者が出てきて、
マキシーンが語呂合わせ的に「BUSTER」と叫ぶのですが、
分からないと考えたのか字幕では「バスター・キートン」となっていました。
知らない観客はかえって混乱して、男がマキシーンの顔見知りで名前を知っていたのかと思ってしまうのではないでしょうか。