原題;THE MUNSTER'S REVENGE
製作年;1981
監督;ドン・ワイズ
脚本;ノーム・リーブマン、エド・ハース、アラン・バーンズ
音楽;ヴィク・ミジー
出演者;フレッド・グウィン、イヴォンヌ・デ・カーロ、アル・ルイス
(ネタバレあり)
人気を博したテレビのホラーコメディ「マンスターズ」(1964~)の続編として製作されたTVムービーです。
全シリーズのメインキャスト、フレッド・グウィン、イヴォンヌ・デ・カーロ、アル・ルイスが続投しました。
「マンスターズ」の登場人物設定等につきましては当ブログの記事「ホラーコメディ「マンスターズ」の思い出」を参照ください。
マンスター一家はクリスマスに飾り付けの参考にしようと、蝋人形館のホラーコーナーにやって来た。
そこにはマンスター一家の蝋人形も展示されている。
普通に美人であるマリリン(ジョー・マクドネル)の人形だけないのだが、
美醜の感覚が常人と逆なハーマン(フレッド・グウィン)は客を怖がらせないためだと解釈する。
記念写真を撮ろうとしてたら日本人観光局の一団が来たので、
ハーマンがシャッターを頼む。
日本人はハーマンの姿を見て「お化けだ!」と逃げて行った。
マリリンをナンパした男も同様に逃げ去ってしまう。
閉館時間となり記念写真を撮ったマンスター一家も帰っていく。
無人となった展示場に館主と博士がやって来る。
博士がリモコンを操作すると露人形が動き出した。
ロボットに改造されていたのだ。
街に出たロボットたちは
ポーカーしている男たちを脅したり、
カップルを襲って車を奪ったりする。
マンスター家にはいとこのオペラ座の怪人が遊びに来ていた。
彼が歌うとガラスが砕け散るというのが本作で繰り返しギャグとして使われます。
マリリンがボーイフレンドのウォーレンを連れてきた。
ハーマンたちはウォーレンの家族とハロウィンを楽しもうと誘うが、
その趣向は思わずウォーレンが引いてしまう悪趣味なものだった。
そこに警官隊が突入してきてハーマンとおじいちゃん(アル・ルイス)は逮捕されてしまう。
警察署では昨夜の被害者が二人を見て犯人に違いないと証言する。
まずいことにハーマンの服にハチが潜り込み、思わず暴れだしたハーマンが署を破壊したので
二人はそのまま留置場に入れられてしまう。
署長の息子であるグレン刑事(ピーター・フォックス)だけは、マリリンに好意を抱いたこともあってハーマンたちに味方する。
おじいちゃんは、いつもクローゼットや棺で寝てるのに、留置場だと狭くて寝られないと文句を言っていた。
そこに黒人のチンピラが入れられてくる。
最初はいきがるチンピラだが、ハーマンの容貌と巨体にビビってすぐおとなしくなった。
食事を持ってきた警官が鍵に手間取っていると、ハーマンが手伝おうと鉄格子を曲げてしまう。
すきをついてチンピラが警官の銃を奪った。
ハーマンは銃を返そうとするが、おじいちゃんの提案で脱獄して自ら無実を証明することにした。
表に出た二人はちょうど戻ってきた署長の車を奪って逃走する。
ハーマンたちは、犯人が二人にそっくりということから蝋人形館を思い出して忍び込む。
蝋人形がロボットと知った二人は、スイッチを切って動きと止め入れ替わる。
二人の脱獄を知った組織のボス・ディアブロ博士(シド・シーザー)は、今夜もロボットを使う気になっていた。
一味はロボットをトラックに載せて出発する。
途中ピザ店の前で停まったのでハーマンたちは荷台を抜け出す。
一味はピザ屋の店主に札束の詰まったアタッシュケースを渡していた。
パトカーを見つけた二人は事件の真相を伝えようとするが、
銃を向けられ、SWATまで要請されてしまい仕方なく逃走する。
二人はマンスター邸に戻るが、表は警官に見張られていた。
二階の窓から入ろうとしても鍵がかかっている。
困っているとタイミングよくオペラ座の怪人が歌いだしたので窓ガラスが割れて入ることができた。
二人の話を聞いたグレン刑事は、翌朝署長とともに警官隊を率いて蝋人形館に踏み込む。
だが警報装置によって一味は警官隊に気づいてしまう。
展示台は回り舞台になっていて、スイッチ一つで本物の蝋人形と入れ替わる仕組みだった。
グレン刑事は地下への隠し扉を見つけるが、そこも単なるオフィスに変えられていた。
結局、グレンたちは収穫なく引き上げていく。
捜索失敗の知らせを受けたハーマンたちは昨夜のピザ屋に目をつけた。
なんとハーマンとおじいちゃんは女装姿でピザ屋に店員として潜入する。
客は容貌魁偉な二人を見てビックリ。
店主のパウロは来店した警官にアタッシュケースを渡して、書類を受けとると博士に連絡して出て行った。
ハーマンとおじいちゃんが尾行しようとすると、二人を捜しにグレン刑事がやってきた。
グレン刑事は女装姿の二人に気づいてビックリ。
二人を逮捕しようとつかみかかったが、事情を知らない客たちが女性に乱暴しようとしていると勘違いして止めに入り乱闘騒ぎになる。
騒ぎに乗じてその場を逃れたハーマンとおじいちゃんが、蝋人形館の前でどうやって入るか考えていると、
出てきた手下二人が蝋人形と勘違いして実験室に運び入れる。
ディアブロ博士は博物館に展示されるエジプトのファラオの財宝を奪う計画を立てていた。
博士は自分がファラオの末裔で、自分が継ぐはずだったファラオの玉座が王の後継者になった弟に奪われたという妄想に執りつかれていた。
本命はミイラが掛けている王家の首飾りだ。
計画を知ったハーマンとおじいちゃんは、財宝を守るミイラを甦らせて盗難を防ぐ作戦を思いつく。
トランシルヴァニアにあるかっての居城に行けば、おじいちゃんが昔作った甦りの秘薬がある。
二人は秘密の通路を見つけて蝋人形館を出たが、居合わせたグレン刑事に逮捕されてしまう。
警察車両の中でおじいちゃんがコウモリに変身。
驚いたグレン刑事はハンドル操作を誤って消火栓にぶつけてしまう。
ハーマンとおじいちゃんはグレン刑事に手錠をかけて逃走、
棺に入ってトランシルヴァニア行きの飛行機に乗り込む。
トランシルヴァニアの城に到着したハーマンとおじいちゃんは昔の助手イゴールと再会する。
イゴールは村の住民たちが処刑に来るとおびえて棺に隠れていた。
窓からは松明(たいまつ)を持った村人の行列が見える。
イゴールは恐怖のあまりショック死してしまうが、
おじいちゃんが甦りの秘薬を見つけて飲ませると、イゴールは息を吹き返したうえ若返って美男子になる。
もう彼と気づく者もいないだろう。
イゴールは有頂天になって城を飛び出していった。
そのころマリリンは二人の無実を証明しようと蝋人形館に忍び込み、動き出す蝋人形を見て事件の真相を知る。
マリリンは原始人の蝋人形に変装するが、足を踏まれて声をあげたため正体がばれてしまう。
マリリンを探しに来たグレン刑事も一味に捕まってしまった。
マンスター家ではハロウィンのパーティが始まり大勢の客で賑わっている。
帰国したハーマンとおじいちゃんはリリー(イヴォンヌ・デ・カーロ)からマリリンたちが戻らないことを聞きトラブルを知った。
ハーマンはオペラ座の怪人とともに蝋人形館へと向かう。
マリリンとグレン刑事は巨大なガラス容器に閉じ込められていた。
容器はハーマンの怪力をもってしても持ち上げることができない。
そこでオペラ座の怪人が得意の歌声でガラス容器を破壊した。
博物館もハロウィンのパーティ会場となっていて仮装した客であふれている。
ハーマンとおじいちゃん、覆面をしたグレン刑事と魔女コスプレのマリリンも客にまぎれていた。
さらに署長率いる警官たちも警備にあたっている。
グレン刑事とマリリンは総監に真相を告げるが信じてもらえない。
署長は本物と間違えてロボットのハーマンとおじいちゃんを警官に連行させる。
マリリンはディアブロ博士の手下からロボットのリモコンをすり取ってしまう。
リモコンがなくなったことで手下たちは邪魔が入ったと犯行をあきらめて引き揚げていくが、
財宝に執着するディアブロ博士は一人でミイラの棺を開ける。
博士が首飾りを取ろうとするとミイラが動き出して博士の首根っこに掴みかかる。
逃げられなくなった博士はそのまま逮捕された。
ミイラはハーマンの変装だった。
秘薬は効かなかったのか、がっかりして問いかけるおじいちゃんにハーマンは効きすぎたと答える。
蘇ったファラオは若返りすぎて幼児となっていたのだ。
マンスター家のパーティ会場にハーマンが、褒賞としてもらった巨大な宝石を持って帰宅する。
いったい今回の事件で誰が宝石を受け取るのにふさわしい功績を上げたか。
悩んでいるとオペラ座の怪人の歌声で宝石が砕け散った。
良かったこれでみんなに配れる、ハーマンとおじいちゃんは大喜びするのだった。
メインキャストのうち息子のエディーと姪のマリリンは配役が変わっています。
エディー役のK.C. マーテルはちょっと上品そうな印象の子役ですがほとんど活躍しません。
マリリンは時代に合わせてキャラクター自体が変更されています。
旧シリーズでは、いかにも60年代のキャンパスに通う良家の子女という印象で服装も地味めでした。
今回は髪形や服装も華やかになり、真相を探るため単身敵地に潜入したりと行動派になっています。
テレビシリーズ版で初代のマリリンは結婚を機に降板して交代しているということなので、
今回のジョー・マクドネルは3代目になるようです。
ゲスト出演のオペラ座の怪人も要所要所で活躍します。
いとこという設定ですがテレビシリーズ版に登場したかどうかは分かりません。
半魚人の親せきがいたのは覚えているのですが。
この二人に比べるとイヴォンヌ・デ・カーロ扮するリリーは見せ場がなくて、
ちょっと気の毒に感じました。
ピザ屋がどのように犯罪に関わっていたのか、現れた警官が何者なのか不明のままで、
蝋人形館がどうなったのかも分かりませんが、
ゆるいタッチのハッピーエンドも悪くないと思わせる幕切れで
個人的には結構楽しめました。