原菜乃華が原ナノカを演じた「はらはらなのか。」 | 隅の老人の部屋

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原菜乃華を初めて知った作品です。
これ以前にも「地獄でなぜ悪い」(2013)「3月のライオン」(2017)といった出演作を見ていますが、名前を覚えてはいませんでした。

この作品で原菜乃華は、人気女優だった亡き母マリカの背中を追いかけるように子役として活動してきた12歳の少女・原ナノカと、そのイマジナリーフレンド的存在・透明ナノカの二役を演じています。


ちなみに母マリカはブレイク少し前の松本まりかが演じました。


松井玲奈が演じた元女優で喫茶店店主の役名はレナでなくリナになっています。

子役としては微妙な年齢となったナノカがジレンマに陥りながらも、
母がかって出演した舞台劇「まっ透明なAsoべんきょ〜」に臨んでいくというのがメインのストーリーですが、
この作品は虚実を交えた多重構造を持っていて
Wikiによれば「まっ透明なAsoべんきょ〜」は実在の演劇で2015年に原菜乃華主演で上演されており、
その内容は「はらはらなのか。」の原案として使われているとのことです。
作者の粟島瑞丸は本人役で本作に出演しており、
さらに劇中では自分が長く生きられないことを悟ったマリカが、
せめて劇の中で成長した娘と接する役を演じたいと考えて、
粟島に母親が主役だった「まっ透明なAsoべんきょ〜」を娘をメインに書き換えてほしいと頼むシーンがナノカの夢として描かれたりもしています。

これもWikiによればタイトルの「はらはらなのか。」は子役時代の不安定さを意味していて、
末尾の。はその時期に区切りをつけてさらに女優として成長していくことを願ってつけられたようです。
その意味でラストシーンは名場面だと思います。

次に原菜乃華を見たのは未解決に終わったグリコ・森永事件を独自の解釈で描いた傑作「罪の声」(2020)です。
出番は少なめでしたが切ないキャラクターを見事に演じて強い印象を残し、役者としての成長ぶりを見せてくれました。