決定版アベノミクス総括/高橋洋一氏の大間違い 《安倍元首相負の遺産》円安、物価高、バブル! | Old James Bond 通信

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―― 大学教授・宇賀神大介の熱血講義録!――

(2022年8月24日、投稿記事)

 

 

《決定版》

 

アベノミクスの総括!!

 

 

 

 

 

 

私は右翼(保守派)ですが、 巷間いわれている

「ネトウヨ」ではないと自らで思っています!

 

「ネトウヨ」に多く見られる 観念主義的右翼とは、

明瞭に 一線を画すからです 

 

単に現実主義者、自由主義者、 共産主義者

であるだけです!

 

「ネトウヨ」で多い方々は、 しばしば宗教染みた

パラノイア (偏執病)的性格で(失礼)、ネット内

「集落」に 棲息しています !!

 

とりわけ、女性の「ネトウヨ」に妙なアクも感じる

気持ちがします!

 

亡き 安倍元首相の政治姿勢、 政策についても

「是々非々」 です 

 

外交や安全保障面などで、功績も残りましたが、

内政面 では 失策も多く、例えば「アベノマスク」

などは最悪でした!

 

私はワシントンDC滞在中、リンカーン記念堂と

いう大聖堂に大きい違和感もあったので安倍

元首相国葬がそうならないように願います !!

 

 

そこで、この稿でも、改めて安倍元首相の経済

政策=アベノミクスについて 総括しましょう!!

 

 

 

アベノミクスは、安倍元首相の退陣また死去で

消えた訳ではなく、 実は今も 続いています!

 

私は、 8年近くも前からアベノミクスの核心は

「成長戦略にある」と指摘してきました!

 

本来、景気回復には、成長戦略が必要です!

 

決して、 財政出動や金融緩和政策では ないの

です!

 

 

 

 

(2015年8月22日、投稿記事)

 

 

 

しかし、日本銀行(日銀)= 黒田東彦前総裁が

「異次元の金融緩和」とか銘打ち、 訳の分から

ない金融大緩和を継続しました!

 

そして、この結果、気が付けば、日本は 円安と

輸入インフレに苦しめられる国になりました!

 

この 要因 とは、日銀の低金利(⇒円安)政策と

いうことです 

 

政府が国債を刷りまくり(財政出動)、一方では

日銀が国債を買いまくる(金融緩和)などという

おかしな経済政策が続く「道理」がありません!

 

財政金融規律の「理念」は、 いずこへ‥‥!?

 

※動くに動けずか、 日銀= 植田和男新総裁は

「時間稼ぎ」の模様!

 

「自国通貨建て国債はデフォルト(債務不履行)

しない  との カビ臭い説明は、いい加減止めて

ほしいと思います!!

 

同志社大学(院)教授・浜矩子氏のごとく、安倍

元首相が「21世紀版・大日本帝国」を目指した

ようには 見えませんが ‥‥!(笑)

 

金融緩和 のみでは、何ら根本的な問題解決に

ならない状況です!

 

断っておきますが、私は何も金融緩和するなと

申したい訳ではなく それを 「援護射撃」にして

「成長戦略を上手く軌道に乗せる」べきだろうと

申したいのです!!

 

 

勿論、「成長戦略が重要」といっても、簡単には

ゆきません!

 

成長技術の種を どう見付け、 どう育ててゆくか、

成長産業の児を どう見付け、 どう育ててゆくか、

イノベーション、 新たな ビジネス・モデル、既得

権益打破、規制緩和・改革 ‥‥ 等々 

 

農林水産業、建設業・製造業、サービス産業と

いった全ての 産業分野で、 その子細な検討が

必要です!

 

当然のこと、研究開発投資、人材投資といった

投資 重要になります!!

 

それでも、私たち日本人は、これに挑戦する

ないのです!!!

 

 

 

 

(アベノミクスと金融緩和)

 

 

 

それでは、 以下にやっと改めて、アベノミクスを

簡単に総括してみましょう!!

 

 

 

《アベノミクスの総括》

 

 

安倍元首相の経済政策、 アベノミクスは、金融

緩和、財政出動成長戦略の 「三本の矢」から

成っていますが、 実質的に日本銀行(日銀)の

大規模な金融緩和へ依存の円安・株高政策

尽きるといえます!

 

失業率が低下して 雇用は多少 改善したものの、

消費増税の影響を考慮しても 実質 GDP(国内

総生産)は伸びず、 デフレ(不況)から脱却でき

なかった のです 

 

※2022年、実質GDP成長率=1.1% 

(内閣府/推計値)

 

企業、また家計の 「デフレマインド」を 払拭する

こともできず、企業の内部留保も 溜まる一方で、

賃金にも余り反映していません!

 

そもそも、成長戦略を中核にして産業競争力を

強化すべきなのに、 安易に金融大緩和へ依存

してしまった点に、アベノミクスの本質と限界

あったとも総括できるでしょう!!

 

※証券マンは商魂でアベノミクスを褒めますが、

あれだけ金融緩和すれば、 経済も表面的には

多少よくなるのは当然で、根本的な課題は全く

手付かずに放っておかれました!!

 

 

 

付言すると、日本の不況・円安対策に関しては、

一橋大学名誉教授・野口悠紀雄氏の主張する

産業の国際競争力を強化 すべき という示唆が

正しく、高橋洋一氏のいっている金融超緩和

すべきという主張は大間違いであろうと 私には

思える次第です!!

 

かつて、ノーベル賞も持つ アメリカの 経済学者、

ポール・クルーグマン氏は、日銀の金融緩和を

推奨しましたが、 効果がないと分かった後では

それを撤回しています !!!

 

 

 

アベノミクスは、 結局 安易な金融

緩和策でしかなかったのです!!

 

 

 

もう、金融緩和「自己目的」!!

 

 

 

円安で、日本を「投げ売り」・「叩き

売り」!!

 

 

 

「成功」とも、 到底呼べません!!

 

 

 

日本の存亡が懸かる成長戦略が、

今後の 鍵です!  

 

 

 

 

 

(日本銀行(日銀)本店)

 

 

 

 

(財務省旧庁舎)

 

 

 

 

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

高橋洋一氏の大間違い

 

 

 

 

(高橋洋一氏(嘉悦大学教授))

 

 

 

高橋洋一さんへ、 安倍元首相の「ご用学者」

お役目、誠にご苦労様でした!

 

もはや、 「さざ波」、「屁」などと、軽くいわないで

ください!!(笑)

 

高橋氏は、大の積極財政支持、金融緩和支持

右派論客として勇ましく、 ネット界隈で ファンが

多く、専門番組は非常に人気です!!

 

 

高橋洋一氏は、通貨供給量とGDPは相関して

いて、前者を拡大(金融超緩和)すれば後者は

増大 (経済成長) するはずといいます

 

しかし、 これは原因と結果を取り違えた 真逆な

話で、 経済成長すれば取引に必要な通貨量も

増え、両者が相関するのも当然です

 

これこそ、金融緩和すればよいという高橋氏の

大間違いの元凶でした!!

 

 

 

《ご参考》

 

ケンブリッジ方程式(現金残高方程式)

 

kPY    k=1/

 

ここで、

 

  通貨量

  物価

  実質GDP

  マーシャルのk

  通貨の流通速度

 

今、kPが安定的なら、が増えれば当然のこと

も増えます!

 

の拡大の増大ではなく、 の増大

拡大だということです !!

 

を拡大(金融緩和)した場合でも、 さほど

増大せず、が上昇してしまうこと(インフレ)

しばしば 発生します !!

 

近年、日本などを除いて そうなりました!!

 

もし高橋氏が名目GDP(PY)、の関係をいう

ならば、一層 両者は相関します!!

 

※以上、あくまで古典派的説明で、ケインズ 

説明では貨幣需要は取引需要と資産需要より

成り、もう少し複雑になります!!

 

※すなわち、以前記したIS-LM分析で、 

拡大するとが増大するというのは、 商品市場、

貨幣(通貨)市場それぞれが均衡し、 なおかつ

両者も「同時均衡」している限りで 成立します!

 

 

変数の間に強い相関性があるとき、

本当に独立した変数か否か 疑って掛かるのは、

「数量政策学者」として 基本中の基本 だと思い

ますが‥‥!?

 

 

 

また、 高橋洋一氏は円安もGDP増大に寄与し、

よいことと教えますが、どの水準までならよしと

するのか、1USドル=150円か200円か??

 

高橋氏は、 外貨準備の120兆円のドル債券を

全て売れば50兆円も差益が出るなどと馬鹿な

話をしますが、こんな無謀策は執れません!!

 

高橋さん、日本が自国窮乏化したのに、いまだ

円安が「近隣窮乏化政策」とか教えますか!?

 

高橋氏は、 私たちの市民生活に直結する食品

エネルギー価格を除いた コア物価指数は僅か

0.8%上昇にすぎず、インフレではないと主張

しますが、とんでもない詭弁というべきです!!

 

円安で儲けている 輸出関連企業の社員だって、

日頃の買い物くらいは するでしょうに ‥‥!?

 

 

高橋洋一さん、 そんなにカネをバラ撒きたいの

なら、 全国5千万世帯に 一律100万円を 支給

したら どうですか???

 

僅かに 50兆円    済みます   !(笑)

 

これは、 国家予算約100兆円の半分です!!

 

高橋氏は、何かにつけて、とにかく バラ撒け

よいと考えている節があります!!

 

ベン・バーナンキ氏、クルーグマン氏、さらには

高橋氏の議論も、多分に「ヘリコプター・マネー

論」で、私は何とも賛同しかねます!!

 

※「ヘリコプター・マネー」とはよい揶揄で、その

ヘリコプターからカネを撒くような金融緩和策を

唱えたバーナンキ氏は、「ヘリコプター・ベン」と

そのままで呼ばれていました!!(笑)

 

※バーナンキ氏は、「ヘリコプター功労賞(笑)

ではないにしろ、昨年度のノーベル経済学賞を

受賞しました!!

 

 

高橋氏は、 日銀は政府の「子会社」だと強調し

ますが、 それでは 同氏が通貨発行肥大を是と

する MMT (現代貨幣理論) の親類としか思え

ません!!

 

かなり前に、 高橋氏は 200~300兆円ならば、

インフレを気にせずに政府・日銀は拠出可能と

いいましたが、果たしてどうでしょうか‥‥??

 

約30兆円という今のGDPギャップ(顕在・潜在

GDPの差)は、 主として武漢肺炎によるもので、

カネをバラ撒いても 貯蓄、株式・不動産の投資

などに回るだけで、局所的バブルを引き起こす

だけかもしれません!!

 

もし賃金がアップせず、インフレ率が3%ならば、

円紙幣は3%だけ「紙クズ」に近付きます!!

 

高橋氏は、政府の負債 1,270兆円だとしても、

資産680兆円、内金融資産420兆円あるから

大丈夫といいますが、 1,270兆円との差額の

850兆円は、 軽視する気ですか!?

 

※令和2年度末・政府バランスシートによる!

 

ちなみに、日銀保有国債500兆円の自己買い

取りは、「財政法」で禁止されています!!

 

国債の借り換えも、償還を先延ばしにするだけ

です !!!

 

 

この他にも、高橋氏のYouTube専門番組には

詭弁、大言壮語などが多いので、皆さん、注意

しましょう!!!

 

 

 

高橋さん、 思い返すも 忌まわしい

バブルをそこまで好きですか!?

 

※バブル時代は、 銀行、 証券会社、 不動産業、

〇〇〇などがデカい面した嫌な時代でした!!

 

 

 

金融緩和 景気回復は 無理 !!

 

 

 

金融緩和は、あくまで成長戦略

「援護射撃」 です  

 

※高橋さん、成長戦略がその 格好の ですが

供給サイドの ミクロ産業政策を馬鹿にするとは、

もう どういう神経ですか (怒)

 

※industrial policy:産業政策 という英語 など

ないと、嘘をつき放題!!(怒)

 

 

 

財政  金融政策 という マクロ経済

政策でなく、産業政策という ミクロ

経済政策が肝要 !!!

 

 

 

 

 

(経済産業省旧館)

 

※水素(H2)は、乗用車には不向きです!

 

 

 

 

(内閣府(旧経済企画庁他)庁舎)

 

※成長戦略の要、国家戦略特区の「司令塔」!

 

 

 

 

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

《付 記》

 

「新しい資本主義」

 

 

 

岸田政権は、 経済政策に「新しい資本主義」

掲げていますが、その意図をごく簡単に示すと

下の図式の通りです!

 

 

 

               →資産所得(配当など)

貯蓄⇒投資⇒企業収益(の分配

               →賃金上昇

 

 

 

この目論見も、産業・企業の能力増強を前提と

しないと、上手くゆかないと予想します!

 

そもそも、 投資する誘因は何かといった問題も

あるからです!!!

 

 

 

産業の(国際)技術競争力を 強め

ましょう !!!

 

 

 

日本の国力 強めましょう !!!

 

 

 

See you someday!!

 

 

 

 

Old James Bond こと、

 

埼玉大学名誉教授

宇 佐 美  洋 一

 

※元・埼玉大学経済学部教授、  大学院教授

 

 

 

※カミさんがスマホで撮影!(笑)

 

 

 

ついでに、私の現在の愛車‥‥

 

 

 

ホンダLifeダンク!(同型車)

 

 

たかが「軽」と侮れない強烈な加速!!

 

精悍!カッコイイ!!(←自己満足(笑))

 

 

 

 

 

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