業績が好調なら株価は騰がり、業績が悪化すれば株価が下がる。
という一元的な見方では勝てません。
業績が好調でも株価が下がることもあり、
業績は悪化しているのに騰がることもあるからです。
まずはもう一軸加える必要があります。
業績と合わせて、割安か割高かというバリュー投資的な軸が必要になるのです。
いくら業績が順調でも、あまりに株価が割高な水準まで到達すると、
かなり大きな調整があるのです。
このところ、
ずっと株価的には順調だった内需のディフェンシブ株の一部に
大きく下げるケースが目立ちますが、
そういう株はこの評価軸から下げているわけです。
じゃあ、株価も割安だし、業績も順調なのに株価が下がることはないのか?
と言われますと、そんなことはありません。
さらにいくつか別な軸を加えて多元的に評価する必要があるのです。
<時間>
今は業績は順調でも、今後はこれまで程の成長は見込めないと市場が判断すると、
株価は下がり始めます。
ですから、常に過去の業績ではなく、そこから見える未来が重要となるのです。
ウォーレンバフェットが言うところの、
「バックミラーを見ながら運転するようなもの」ではうまくないんですね。
<リスク>
ところが、未来と言うのは、深い霧の中を運転するのにも似ていて、
まるで視界が効かないんですね。
つまり、今のところ業績が順調で、今後も順調と思われたとしても、
場合によっては「業績が悪化する心配がある」という理由から、
株価が売られることはよくあります。
<金利>
業績順調。未来も良好。株価は割安。大したリスクも見当たらない。
しかし株は下がる・・・。なんでや??
こういう場合に一つ疑うべきは金利です。
株価=近未来の1株利益/( 金利 + リスクプレミアム)
1株利益は業績。
近未来は時間軸。
リスクプレミアムはリスク。
これに加えて、金利の上下動でも株価は動くということです。
金利が低下する局面で株価が騰がる現象を金融相場と言いますが、
今は、逆に米国では金利を上げようとしていますから、
金利的な理屈だけなら、株価は下がるということです。
しかし、他の要因、特に業績(近未来の1株利益)がその影響以上に良化すれば、
株価は下がりません。
例えば、金利の上昇によって、利ザヤが稼げる銀行株なんかは、
逆に騰がっても不思議はないというわけです。
ここまでがファンダメンタルズの面から見た「株価が下がる要因」といえます。
しかし、株価はファンダメンタルズとはまるで無関係に下がることもあります。
・事件や事故などにより、投資家心理が悪化する
・株価操縦的な恣意的な動きにより、暴力的に下げさせられる
・人気が完全に離散してしまう
・極端に資金需給が悪化し、マーケット全体で資金繰りが悪化する
・市場参加者が大きな勘違いを起こす
などなどです。
自分が株を持っている状況で、こんなことが起これば腹立たしい限りなんでしょうけど、
我々、バリュー投資家にとっては、これらは夢のような出来事です。
こんなことでも起きないと、
成長期待の高い有望株を割安に買うなどという奇跡はやってきませんからね。
このような状況で、何が出来るかが、勝負みたいなところはあるのですが、
もし、自分が株を持っている状況でこんな事があれば、基本は「動かない」ことです。
どれ一つとっても心理的にかなりのダメージを食らっていますから、
正しい判断が出来ない可能性があり、だったら、動かない方がマシというわけです。
いろいろおさらいのようなことを書きましたが、
もし、ご自身で保有している株がこのところ大きく下がっているとしたら、
まずは、これらの複数の軸から、何が起こっているのか?
複合的にチェックてみることが大切です。
本日も、参考になりましたら、
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