幻冬舎の連載も11回目となりました。次回が最終会です。
さて、今回は「秘伝のタレ」理論です。近年、生成AIの技術が進み、膨大なネット情報の中から、もっともありそうな予想を導き出す能力が飛躍的に高まりました。「だから、もう株ではAIに勝てない」という主張をする人がいますが、私はそうは思いません。
理由は、秘伝のタレを教えたら、それはもう秘伝ではない、ためです。「本当に上がる株の情報」はネット上にはほとんどなく、「もう上がらない株を売り抜けるために、いかにも上がるだろう主張」については、そこら中に溢れかえっています。
もし、それらの情報と株価の関係をAIが学習し続けたら、おそらくAIはネット情報の逆張りをするようになるでしょう。
つまり、ネット情報を根拠とする限り、上がらない株の見つけ方は上手くなると思いますが、上がる株の見つけ方はいつまで経っても学習出来ないと思うのです。
ネット情報ではなく、優れたトレーダーや投資家が自分の考え方(つまり秘伝のタレ)をAIに教え込んで、優れた分身AIを作ることは可能でしょう。
以前は、今思うと呆れるような、トレードチャンスがそこら中に有りました。が、そういうのはみんな気付いて、どんどんなくなって行きました。みんなが知ると市場の歪は消えてなくなるのです。そういうのが得意なトレーダーの分身AIが普及すると、市場はどんどん効率的になって、その手のチャンスは減っていきます。
しかし、「これ、良いじゃん!けど、ここをこうしたら、もっと良くなるのに…。この会社、そういう努力はちゃんとしてるのかな?」等という人間ならではのこだわりや気づきを根拠に投資対象を絞る(場合によっては消費者として働きかける)等というようなことについては、AIには教えようが無いのです。
つまり、あなたならではのこだわりを活かした「推し活投資」ならAI時代 にも通用する、と考えて、この連載を始めたのです。
昨年、株の小説を書きました。ご興味のある方はこちらもどうぞ

