武家の書 柳沢 淇園  (125) | okuda8888のブログ

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柳沢  淇園 (きえん) 「南山寿一杯」  紙本

 

柳沢 淇園 (柳 里恭)の一行書である。柳沢 淇園(1703年~1758年)は、大和郡山藩の重臣で、武士であるとともに、文人画家として活躍した。

 

 

書は「南山寿一杯」で、長安近くの「南山」はいつも変わらない姿をしている所から、長寿を象徴する目出度い山とされる。南山のように長寿を永遠に言祝ぐという、目出度い漢詩が書かれている。

 

 

柳沢淇園の書は武士らしくキリリと引き締まっている。紙・墨も上質のものを使っているのであろう。また、保存状態も極めて良い。

 

 

署名は「里恭」とある。篆刻も自作であろうか。

柳沢淇園は幼少よりエリート教育を受けてきたので、文武・諸芸に優れていたようである。博学・多才で人の師になるものは、詩書画・篆刻・煎茶・琴・笛・三味線・医術・

剣術・槍術・弓術・馬術・国学など16項目にあったという。まさに、文人であるとともに才人であった。

 

文人画の先駆者としてもよく知られており、池大雅や池玉瀾の絵を指導するとともに、木村蒹葭堂 とも交わり、関西画壇に大きな影響を与えた。

 

「書は人なり」の言葉通り、高潔で才気の感じられる淇園の書である。