池 大雅 梅花図(水墨) 紙本
横48.0㎝×縦129㎝
池大雅らしい堂々とした水墨の梅花図である。
梅の幹は100年を超えたような古木である。幹を描くに際し、濃い墨、やや薄い墨、薄い墨と三種類の墨を使い分け、幹の力強さと立体感を上手く表現している。
古木の幹と対照的なのは、若く伸びた二本の枝である。空に向かう伸び伸びとした枝が若々しい生命観を表現している。
画面の上部は花盛りの梅が華やか描かれる。水墨画故に端麗な花々である。
池大雅は桜より梅を好んだようである。寒さに耐えて咲く高潔で清楚な美しさに惹かれたのであろう。この絵には、大雅の梅の花に対する深い愛情があふれているように感じられる。