平田 玉圃 山水画 紙本 横31.5cm×縦134cm
平田玉蘊の養子玉圃の山水画である。玉蘊には子どもがいなかったため、妹玉保の長男を養子として迎え、後継者とするべく若い時から絵の指導にあたった。
夏の景色らしく滝を配し、清々しい画である。木々の緑が清涼感を高める。
楼閣の1階には、隠士と思われる人物を配し、外の景色を楽しんでいる。木々の表現も葉の明暗で立体感が表現され、伸び伸びと描かれている。こうした表現も母玉蘊譲りであろう。
落款に「玉圃老生」とある。玉圃晩年の作とすると、尾道の住いから妻の出身地愛媛県
岩城島に隠棲した頃に作画されたものと推測される。
玉圃は母玉蘊の絵の教えを誠実に継承したようで、晩年になっても絵が荒れていない。穏かで端正な絵の世界である。
たまたまこの作品を入手した時、平田玉蘊の山水画も併せて入手することができた。二つの作品を比較すると両者の画風の共通点と相違点も見えてくる。
玉蘊の山水画で、斧を持った樵が小川を渡り、山に行こうとしている画である。
穏かな画風の中にも、庶民の息遣いが感じられる絵である。
玉圃の山の描き方は玉蘊とよく似ており、玉蘊の影響が見てとれる。玉圃は大胆な色使いで自然を鮮やかに描いていると言えよう。
酷暑の続く今年の夏、親子の二幅の滝の図を掛けて眺めていれば、夏の暑さを少し忘れさせてくれる清々しさがある。




