平田玉蘊 「和美人画」 絹本
横34.0㎝×縦95.0㎝
平田玉蘊(ぎょくおん)が描く和美人図である。
左手に扇を持ち、芸子が舞っている場面を描いたものであろうか。顔は右下を振り返り、柔らかい表情で描いている。
扇には若松が丁寧に描かれるなど、細部にもこだわりがある。帯の文様には花びらがあしらわれている。
着物の裾模様の花は「秋海棠」で、品よく描かれている。
印は白文方印「平田氏之女豊」と「玉蘊」が使用されている。
玉蘊描く美人画はいずれも「たおやか」で「品が良い」。女性を描く時の平田玉蘊は、自分の自画像を描くような気持ちで、絵に向かっていたのかもしれない。