玉蘊の「秋草に文鳥図」 (121)平田玉蘊 「秋草に文鳥図」 紙本 玉蘊の「秋草に文鳥図」である。 庭の石の上につがいの文鳥が止まっている。二羽の文鳥は何かコミュニケーションをとっている様子を微笑ましく描いているようである。 秋草は秋の七草の内の萩(はぎ)、薄(すすき)、女郎花(おみなえし)などが描かている。 萩の葉は前回「萩に小禽」(120)同様に丸く厚みをもって描く。薄の穂は赤褐色で、画面全体に秋の深まりを感じさせるように描かれている。 玉蘊らしいほのぼのとした温かみのある画である。