閑話休題
12月上旬に届いた桜の盆栽。毎日昼間は外に出し、夜間は寒さを防ぐため玄関の中に入れて、天塩に掛けて育てていた桜の盆栽に、今日(2月28日)つぼみが膨らんでいるのが確認された。
1月中は枯らしたのではないかと、何かと不安だったが、芽吹きを見て3か月間の苦労が報われた気持ちである。
あとは、3月末の桜の花見を楽しみにしたい。
今日紹介するのは平田玉蘊の「菊慈童図」である。頼杏坪の和歌の賛がついている。
罪を得て流罪にされた侍童が、菊の露を含んで700年もの寿命を得たとされる「菊慈童」が描かれている。
和歌の賛は
八重八重の姿にいつも、変わらぬは、花のを〇〇の、菊を摘めば(なり)(〇字不明)
惟柔(ただなご)(諱)
頼杏坪は頼山陽の叔父で、学者であるとともに三次郡の群代官や三次町奉行として、地域振興に尽力した。平田玉蘊を常に庇護し、玉蘊のことを父親替わりのように情愛を以て接し、玉蘊作品への着賛も散見される。
この絵は画の状態があまり良くないが、菊慈童の悠々としたたたずまい、空虚感のある表情をよくとらえている。