平田玉蘊 (57) 「雪中の南天・小禽図」 絹本
横46.5㎝×113.5㎝
寒々と雪が降りしきる中に南天と小鳥が描かれている。
雪の日のため、背景を薄暗く塗り、白抜きで雪が降り積もっていることを示している。胡粉で雪が降る様を描いていたようであるが、作品を水洗いした時みな胡粉が落ちてしまったようである。
ただ、南天の赤い実は色鮮やかに残っている。全体が冬の寒さで薄暗い中、赤々とした南天の実は生命力が感じられ、美しい。
そして南天の葉の中に、一羽の小鳥が寒さに震えながらも、けなげに生きている姿が描き出されている。小鳥の強い生命力が感じられる。
冬の凍てつく寒々とした中にも、南天の実の赤さ、小鳥の羽ばたきで元気をもらうような絵となっている。