幕末の狩野派絵師 狩野中信 (90) | okuda8888のブログ

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狩野中信 「紅梅に鴛鴦図」 紙本

      28.5㎝×86㎝

 

幕末における狩野派の代表絵師「狩野中信」(1811年~1871明治4年61歳没)の「紅梅に鴛鴦図」である。

 

 

紅梅が咲く中、雪が降り花びらや幹に雪が積もり、幹に止まっている鴛鴦も寒さに震えている、という情景をリアルに情緒深く描いている。

 

2月頃の梅が咲き始め春の到来を感じさせる頃に、寒波が訪れ厳しい冬に逆戻りする情景を情緒深く描いている。雪につもる梅の花や幹など、描写力が素晴らしい。従来の狩野派の枠を超えた表現と言えよう。

 

 

落款には「董川中信筆」とある。狩野中信は江戸時代後期から幕末にかけ、他の画壇の作家が革新的な絵を描く(若冲・円山派等)中で、狩野派の改革に乗り出し、力量を認められた画家のようである。

 

 

昨年1月のNHKBS放送で、万延元年の遣米使節団が米国大統領に対し、徳川将軍の贈答品として狩野中信筆「富士飛鶴図」が贈られたことを紹介していた。この事実からも狩野中信が幕末の狩野派の代表画家であったことが分かる。また、この絵を見ていると、中信の画家として並々ならない画力を感じるのである。