江馬細香 江戸後期の女流画家 Ⅵ (83) | okuda8888のブログ

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江馬細香 「竹石図」 絹本

 

江馬細香(1787年~1861年)の「竹石図」である。賛詩より、細香晩年72歳の作と分かる。

江馬細香と平田玉蘊は生まれた年が天保7年(1787年)で同い年である。頼山陽を巡って、この二人の女性は数奇な人生を送ることになった。

 

賛詩落款より、「戌牛冬日」とあるので、安政4年(1858年)細香72歳の晩年作と分かる。

細香は文久元年(1861年)74歳で亡くなっており、玉蘊より5年長く生きた。

 

 

 

漢詩の内容は、部屋をしっかり掃除したら、心地よく清々しい気持ちになった。朝日が画室を明るく照らしている。」という内容である。ふとした日常の機微を晩年の細香が穏やかな気持ちで詩を詠んでいる。

 

 

晩年作ということで、竹の茎がやや勢いがなく描かれているが、意識してこのように表現しているのであろうか。

細香は竹を描く時は3~4種類の墨を使い、陰影や距離感を表したと言われている。この作品でも、竹の奥が最も薄い墨を使い、真ん中の竹、手前の竹に至ると、濃い墨を使い、竹群の立体感を出している。

竹の画を繰り返し描いた細香にとって、竹は生涯心を通わすことのできた友であったのだろう。