円山四条派 重鎮 松村景文 「蓬莱山」(82) | okuda8888のブログ

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松村景文 「蓬莱山」  絹本

          横50㎝×120.5㎝

 

円山四条派の重鎮、松村景文(1779~1843)の「蓬莱山」である。作品は比較的大作である。師は実の兄松村呉春に師事し、同じく呉春に師事した「岡本豊彦」と親しく交友した。二人の双福も多く残されており、四条派は発展させる上で、二人の果たした役割は大きかった。

 

 

たまたま、前回のブログ(81)で取り上げた岡本豊彦の「蓬莱山」と画題が重なったが、それぞれの絵に二人の個性は発揮されているようだ。

平田玉蘊とも活躍した年代は近く(景文が8歳上)、「群蝶図」の寄書にも景文の蝶が見える。

 

 

「画乗要略」で村松景文については「写生精研にして、淡彩艶美なり。墨痕豊潤にして、結構多姿なり。」と評されている。デッサン力はあり、色彩が艶がある。絵は豊潤である。」

 

 

この絵ではまさに赤松の幹の色が美しく、近代日本画に通じる色彩に思える。白梅の配置など、心憎い構図である。

 

 

松の上には二羽の鶴を描くとともに、上ったばかりの旭日を添え、スケールの大きな絵となっている。