岡本 豊彦 「蓬莱山」 絹本
横36㎝×86㎝
倉敷出身で円山四条派の重鎮でもあった岡本豊彦(1773~1845)の「蓬莱山」の絵である。
備中国(倉敷)出身ということで、福原五岳について学んでいたようであるが、五岳死後松村呉春に師事し、円山派に属することとなる。
平田玉蘊のより14歳年長であるがほぼ同時代、出身地も近かったためか親しかったと推測される。本ブログ(57)の「群蝶図」に玉蘊とともに蝶の寄書をしている。
生前は「花鳥は景文、山水は豊彦」と京都画壇で名声は高かったという。本図でも、蓬莱山に打ち寄せる波のダイナミックさ、山肌の洗練された描き方など、さすがの力量である。
見る人を蓬莱山の仙境に誘ってくれるような作品である。