玉蘊姉妹の合作 「蘇鉄に雀図」 (78) | okuda8888のブログ

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平田玉蘊と平田玉葆の姉妹合作「蘇鉄に雀図」  紙本

 

平田玉蘊と妹玉葆の合作図で、珍しい作品である。妹(本名 庸(よう))は文化9年(1812年)三原市の大原家に嫁ぎ、家庭の人となってからは、ほとんど作品を残していない。

 

 

この絵では雀三羽を玉蘊が描き、蘇鉄は妹玉葆がえがいている。玉葆の落款は「女玉葆」とあり、印は本名である「庸女」白文長方印を用いている。

 

 

玉蘊の落款は「玉蘊女子寫雀」とあり、雀を描いたと記録している。印は「玉蘊」白文方印である。

 

 

この合作はどのような場面で描かれたのであろうか。私は想像してみるに40代前後になっていた妹玉葆が法要等で実家に帰った時、久しぶりで二人で絵を描いてみようか、とどちらともなく提案し、玉葆は家にある多くの蘇鉄が懐かしく蘇鉄を絵の画題に選んだのでないだろうか。平田家ではいち早く蘇鉄を庭に植え、そのみごとさから「鳳尾焦軒」と呼ばれていた。(鳳尾焦とは鳳凰の尾のに見立てて蘇鉄のことを指す。)

 

 

そんな姉妹のくつろいだ雰囲気を感じさせる絵である。久しぶりに絵筆を取った玉葆も、若い時に鍛えた表現力は衰えておらず、生き生きと描いている。