森徹山 「江口君図」(応挙)の写し 絹本
横43㎝×縦108㎝
円山応挙の弟子で、応門十哲の一人である森徹山(1775年~1841年)の「江口君図」の写しである。本画は円山応挙の作で、現在は静嘉堂文庫美術館蔵となっている。
能「江口」は、西行法師と歌を詠み交わした江口の里の遊女は、実は普賢菩薩の化身だったという説話に基づいて作られている。この江口の君図も能に基づき、遊女江口が普賢菩薩が乗るとされる白象に騎っている。
応挙の本画と絵のサイズはほとんど同じで描き、着物の柄は違わせているが、江口の君の表情などはほとんど一緒である。
江口の君は普賢菩薩の化身ということで、気品ある表情で描いている。
応挙の弟子たちは、師の円山応挙の絵をそっくり「写す」ことで、絵師としての技量を高めていったのであろう。