円熟期の楊貴妃像  (71) | okuda8888のブログ

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平田玉蘊(ぎよくおん)(49)「唐美人図」 賛 藤井高尚 絹本

           横32㎝×縦104㎝

 

平田玉蘊の「唐美人(楊貴妃)図」である。賛は当時著名であった国学者藤井高尚(たかなお)である。

 

 

作品の上部に和歌による賛が書かれている。和歌は「なつかしき よそ(装)ひになして ここ(日本)なれば、桜の花に 君(楊貴妃)をたと(譬)えむ」と読める。

 

 

楊貴妃は華やかな美しさから中国では海棠の花に譬えられることが多いが、楊貴妃の美しさを日本で譬えるならば、桜の花であろう、と国学者らしい視点で和歌を詠んでいる。

 

 

この作品では、楊貴妃を高貴に描くとともに、桜の花もよく見ると精緻に美しく描かれている。

 

 

この作品の落款を見ると、前回のブログ平田玉蘊「和美人」(48)同様、「章女」(朱文長方円)「玉蘊」(白文方印)が押されており、玉蘊円熟期45歳~50歳頃の作品と推測される。

 

 

桜を愛でている楊貴妃の表情は静謐で、深い情感を感じることができる。