ご覧になる前に...

こちらは 先日のラブコラボ研究所『メロキュン☆卒業レポート』として
提出した「卒業」の蓮サイドのお話になっています。

まずは、「卒業」のほうを、先にご覧いただくことをお勧めします。
「卒業」をお読みいただいてからでないと、??なお話になっております

「卒業」はこちらから..↓

   卒業1  卒業2  卒業3  卒業4

原作者様、原作とは一切関係ございません。
原作の設定、お話の進行から浮かんだ妄想をまとめたものになっています。
原作と異なる点、原作ではありえないこともでてまいります。

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( 卒業 side:蓮 3 の続きになります )


彼女への特訓も今日で5日め。
予想以上の仕上がり。

まったく君って子は本当に...走り出したら速い。
モデルの技術を教えてくれと、
深夜の寒空の下、押し掛けてきた君を思い出す。
今後の勉強に使ってと、母さんの出演したショーのDVDや
参考になりそうな本をプレゼントしたりもしたけれど
今回、君を指導してよくわかった。
ずっと頑張り続けてきたんだね。ほんと、君らしい。
頑張り屋さんの君が愛しくてたまらない。
君のことだから、あの夜のことを忘れたとは思えないけど..
”紅”の中に、あの夜の俺を見つけたりしてはいないだろうか?


バスタブから出て、ローブをはおる。
鏡に映った自分の顔に愕然とする。

社さんに注意されるわけだ..
ま、隠すつもりなんてもうないんだけどね

洗い立ての体に香水を纏う。
最上さんが大好きだと言ってくれたアルマンディの新作。
眠る前に纏うのは、”紅”になるためではなく
この香りに染まった君との夜を夢想したいから。
君にバレたら「破廉恥です!」って叱られるんだろうな。



「『破廉恥です!』...か...」


彼女の言葉が何度も頭の中をかけめぐる。


    「私は!私は恋なんてしないんです!そう決めたんです!」

    「だから.. だから、逃げたんです。
     鍵を.. 何度鍵をかけても、私の心に入ってきて..
     これ以上好きになっちゃダメだって思ったから..」

    「とても素敵なひとで..
     私にはもったいないひとなんです..」


純情な君をちょっとからかうだけのつもりだったのに...
君から返ってきた言葉に、
君の目に浮かぶ涙に動揺した。
”紅”には素直なくせに、俺には嘘つきな君。
もう諦めて、俺のものになってしまえばいいのに...
往生際の悪い君。
俺はもう すっかり君のものなのに...
君のいないベッド。
君を求め、君の幻をかき抱く。



最終日。
最上さんの様子がおかしい。さすがに疲れが出たか?
いや、違うな... 
俺への態度がどこか変わったような気がする。
まさか、感づいたのか?


「キョーコ?大丈夫?疲れちゃった?少し休みましょうか?」


集中力の続かない君を案じて、俺は椅子をすすめた。


「何か飲み物をとってくるわ。キョーコはそこで体を休めてて。ね?」


「お待たせ。レモネードにしたけどよかったかしら?」


そっと近寄り様子をうかがう。
小刻みに震える肩。俺は思わず君を後ろから抱きしめた。


「泣いてるの? だめよ、そんな泣き方をしては..
 声を殺して泣くなんて.. 
 私じゃ、力になれない?」

「ごめんなさい.. ごめん.. ごめんなさい」

「どうして私に謝るの?
 キョーコは何も悪いことしていないでしょう?」

「ごめんなさい...」


謝罪の言葉を繰り返すばかりの君にとまどった。


「それだけじゃ、どうしてあなたが泣いてるのかわからないわ
 どうして私に謝るの?」

「私.. 紅さんを祝福してあげられない...」

「祝福?なにかお祝いしてもらうことがあったかしら?」

「私..紅さんのこと大好きなのに..
 紅さんには幸せになってほしいのに..
 敦賀さんには あんなことを言っといて..
 それなのに..
 今、とってもそれを後悔してて...」


え!? それって...

はやる気持ちをなんとか抑えて君に問う。


「ん?敦賀さん?どうしてそこで彼の名が出るの?」

「今朝、社長室からの帰りに、そこで敦賀さんにお会いしたんです。
 敦賀さんにご挨拶したとき、敦賀さんから紅さんの香りがして..
 ああ、そういう関係なんだって思っちゃったら..もうぐじゃぐじゃで..
 おふたりの幸せを素直に喜べなくて..
 どうして自分じゃないんだろうとか..
 私、紅さんのこと大好きなのに..紅さんに嫉妬する自分が嫌...」


ああもうっ! 本当に君って子は予測不能だ!
こんな形で告白されるなんて!
うれしくてたまらない。


「俺は嬉しいよ、最上さん」


思わず”俺”が応えてしまう。
貪欲な俺は もっと確かな言葉が欲しくて 君に問う。


「ね、キョーコ? もしかして、キョーコは蓮が好きなの?」

紅から問われ、君はコクンとうなずいた。

「ごめんなさい....」

「あやまるようなことじゃないわ」

「・・・・・」

「蓮が欲しい?」

「・・・・・」

「欲しいなら、そう言っていいのよ?決めるのは蓮だもの」

そう、決めるのは俺。

「もう紅さんがいるもの...」

”紅”は、俺なんだけどね..

君は..君は、”紅”から俺を奪い取ってはくれないの?
お願い、諦めないで。


「キョーコの気持ちが聞きたい。蓮のこと、好き?欲しい?
 どうして伝えずに勝手に諦めちゃうの?
 私は嫌よ?そういうの!」

俺の気持ちを伝えたくて、君を抱く力が強くなる。

「ごめんなさい... 好き..です..」

「彼の愛が欲しい?」


再びコクンと頷いた君に歓喜した。


「やっと言ってくれた。ありがとう。うれしいよ、最上さん。
 俺もキミからの愛が欲しい」



「へ??」

腕の拘束を解かれ、
振り向いた君は、豆鉄砲をくらった鳩のようだった。
事情を飲み込んで、一気に真っ赤に染まった君。

ま、そうなるよね。
俺は君からこっぴどく叱られることになるんだろうけど..
この状況が.. 俺はうれしくてたまらない。

今夜はうちにきて ごちそうしてくれる?
もちろん、あの香水を纏って...


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ずっと読み専だった私ですが、お誘いいただいて
実際に自分の頭に渦巻く妄想を文章にまとめてみて、
文章に綴って公開するという作業がどんなに大変なものか思い知りました。
そして、素敵作品を提供してくださるマスターの皆様への感謝の気持ちが
ますます深まりました。

構成力、表現力の未熟さは一日二日では補えるはずもなく(泣
研究所品質にはとうてい及ばないのですが
皆様の優しいお心に甘えて提出させていただきました。
「もっとがんばりましょう」のスタンプを頂けるとうれしいです。
駆け出し研究員の妄想に、
最後までおつきあいいただきまして、本当にありがとうございました。