ドラマ小説「成長のベースはサッカー」第29話 | GKコーチ健太の日々挑戦!

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みなさんこんばんは。

お待たせしました。

1年生から2年生になるタイミングの新人戦。


目標にしていた作陽との決勝。

準決勝と決勝が同じ日に行われた大人の都合の最悪な大会。準決勝延長まで戦い、そのあと決勝で作陽に0-7で負ける始末…


春の強化合宿を終えて、インターハイ予選。

順調に決勝まで進むことができました。

決勝の相手はもちろん作陽。

そして決勝の会場は僕の地元美作。


作陽にとってはホーム。

理大附属にとってはアウエー。でも僕はホーム。


今回の決勝のピッチに立つのは両校合わせて美作出身者が3人。美作の役場の方々が3人の弾幕を作成し掲げてくれました。


やっとリベンジできる。


僕は実家の近くのホテルに宿泊し、緊張とワクワク感で眠れませんでした。


翌朝、今でも覚えてます。なんでも勝利に結びつけたい。散歩の時に玄関にクモ🕷がいました。朝蜘蛛は縁起がいいと聞いたことがあり、「勝たせてくれ」と言いながらクモを拝んだことを覚えてます爆笑


競技場には沢山の応援が。

そして新人戦と違い、あと一勝で全国大会が決まる‼️

前半からスター軍団の作陽ペース。

ウォーミングアップから調子が良かった僕は無我夢中でゴールを守りました。


ずっと攻め込まれていた気がします。

それでも怒涛の攻撃を死守しまくりました。


作陽は中学時代に県の選抜で共にプレーしたメンバーばかり。コーナーキックの守備の時には僕の周りに集まってきて、ニコッと笑みを見せる余裕も。


そして前半0-0。

シュート数は10対0ぐらいのワンサイドゲーム。


だがハーフタイムに作陽ベンチは部長が大声でこちらに聞こえるように。笑


「理大ごときに何を手こずってるんだ!」


とイレブン全員ビンタを受けてました。

今思えば、少しは脅かせていたのかな?

焦っていたのかな?と思いますが…


その時は…


こちらのチームはハーフタイムの雰囲気を思い出すと、あの強豪作陽相手に前半0-0で折り返したことに、驚きと満足感が既に表情に出ていた気がします。言葉では後半行くぞ!と言っていましたが…


正直僕はなんとか点を取ってくれないと、いつか守備が崩壊すると感じていました。


逆にビンタを食らって目が覚めた作陽はギアが上がりました。


止めても止めても、責められ、カウンターを試みても途中でシャットダウン…


結果1-3で敗退…

こんなにも差があるのか?


こんなにも気持ちの部分などでゆとりの差があるのか?涙も出ませんでした…


いくら止めても点を取らなければ勝てない競技。

先輩方の中で試合に使って頂いていて、なかなか言えない立場でもどかしさはありました…


翌日の朝、寮母さんが

「清水さん!昨日の試合新聞に出てるよ!」


正直、見たくありませんでした。

でもこうやって嬉しそうに教えてくれる寮母さんのこともあるので、見ることにしました。


すると「サッカー作陽が貫禄!」

まぁ当然ですよね…


「開始早々から作陽ペース。それでも理大附はゴールキーパー清水の好セーブで健闘」


少しは止めれてたんだ…

このことを寮母さんは伝えたかったんだ…

落ち込んだ僕に元気をと伝えてくれたんだ…


ここで新たに僕はスイッチが入りました。

今年に入り2回決勝に進めている。

選手権で絶対に借りを返す‼️


そこから夏の厳しい練習がスタートしました。


つづく…