今回は確率の反復試行を取り扱います。
同じ条件の作業を繰り返すときに用いる考え方で、色々と応用ができます。
まずは公式を確認しましょう。
反復試行の公式
n回中 r回、事象Aが起こる確率をPとする。1回の試行のうち事象Aが起こる確率をP(A)とすると
※上のように「事象Aとそれ以外の事象が起こる回数が決まっている場合」だけではなく
「事象Aと事象Bと事象Cのように、3以上の事象が起こる回数が決まっている場合」でも反復試行の考え方は使える。
例えば、n回中、事象Aが p回・事象Bが q回・事象Cが r回起こる確率をPとする(n=p+q+r)。1回の試行のうち事象Aが起こる確率をP(A)・事象Bが起こる確率をP(B)・事象Cが起こる確率をP(C)とすると
知っているだけでかなり計算が楽になるのでしっかり使い方を覚えましょう。
それでは問題を解いてみましょう。
以下の問いに答えよ。
(1)さいころを6回振る。そのうち5以上の目が4回出る確率を求めよ。
(2)原点から出発して数直線上を動く点Pがある。硬貨を投げて表が出れば点Pは右に4だけ、裏が出れば左に2だけ進む。硬貨を4回投げるとき、点Pの座標が4である確率を求めよ。
(3)1~4の数字が書かれたカードが各1枚ずつの計4枚ある。また原点から出発してxy平面上を動く点Pがあり、この点Pは以下のルールに従って動く。
4枚のカードのうちから1枚選んで引いたとき
・ 1のカードを引いたならば点Pは右に1進む
・ 2のカードを引いたならば点Pは左に1進む
・ 3のカードを引いたならば点Pは上に1進む
・ 4のカードを引いたならば点Pは下に1進む
カードは1枚引くごとに元に戻すものとする。
この作業を6回繰り返したとき点Pが原点にいる確率を求めよ。
<解説>
(1) さいころを1回振ったときに5以上の目が出る確率はであるので、求める確率は
(2) 硬貨を4回投げて点Pの座標が4であるためには、表が2回、裏が2回出ればよい。
硬貨を1回投げたとき表・裏が出る確率はそれぞれなので,、求める確率は
(3)1回の試行のうち1~4のカードを引く確率はそれぞれである。
1のカードを何回引くかで場合分けをしよう。
(i)1のカードを引くのが0回のとき
2のカードを0回、3のカードを3回、4のカードを3回引けば点Pは原点にいるので
このときの確率は
(ii)1のカードを引くのが1回のとき
2のカードを1回、3のカードを2回、4のカードを2回引けば点Pは原点にいるので
このときの確率は
(iii)1のカードを引くのが2回のとき
2のカードを2回、3のカードを1回、4のカードを1回引けば点Pは原点にいるので
このときの確率は
(iv)1のカードを引くのが3回のとき
2のカードを3回、3のカードを0回、4のカードを0回引けば点Pは原点にいるので
このときの確率は
(v)1のカードを引くのが4回以上のときは点Pが原点にいることはない。
(i)~(v)より、求める確率は
いかがでしょうか?
公式は覚えにくくはありますが本当に便利です。ぜひ使いこなせるようになって下さい。
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