今回は三角比の正弦定理と余弦定理の使い分けについてです。

どちらを使えばよいか迷ってしまうことや、直感で解き進めていたら時間がかかってしまった経験がある人もいると思います。

今回のポイントを押さえておけばほとんどの問題に対応できます。

まずはそのポイントを確認しましょう。

 

正弦定理・余弦定理をうまく使おう!

・正弦定理

・余弦定理

 

・正弦定理と余弦定理を使い分けるポイント

①1つの角の大きさとその対角の長さがわかっている。⇒正弦定理

②1つの角の大きさと2辺の長さがわかっている、もしくは3辺の長さがわかっている。⇒余弦定理

※①、②はあくまで目安だが、正弦定理を使える状況であるならば優先的に正弦定理を用いたほうが良い。(計算が余弦定理にくらべて簡単なため)

 

・角の大きさと対辺の長さの関係

A > B > C ならば a > b > c

正弦定理・余弦定理を用いると解が2つでることが多い。そのどちらを用いればよいか、または両方の場合で考えるべきかを判断するためにこの関係を用いる。

 

 センター試験においては必ず出題されるので絶対覚えておきましょう。

それでは問題を解いてみましょう。

 

 

<問題>
以下の問いに答えよ。
なお△ABCにおける、∠Aの対辺をa、∠Bの対辺をb、∠Cの対辺をcであるとする。(下図参照) 

                      


(1)△ABCにおいて、∠B=45°、∠C=30°、b=2である。∠A、a、cの値をそれぞれ求めよ。

(2)△ABCにおいて、a=6、b=2、c=3+である。∠A、∠B、∠Cの値をそれぞれ求めよ。
また、△ABCの外接円の半径Rの大きさも求めよ。

(3)△ABCにおいて、∠C=45°、、c=3である。∠A、∠B、aの値をそれぞれ求めよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<解説>

(1)

まずは三角形の内角の和より∠A=180-(30+45)=105° 

次に∠B=45°、b=2であるように、1つの角と対辺がわかっているので正弦定理を用いる。

 あと残るはaのみである。ここで∠A=105°より、sin A, cos Aの値はわからないので

正弦定理や余弦定理のは使えない。

したがってを用いると

 

(2)

3辺の長さしかわかっていないので余弦定理を用いるしかないが、どこの角を使うか考える必要がある。

一般に辺の長さが多項式で表されている場合、その対角の大きさは余弦定理ではわからない。

ここで言うと辺cが多項式なので、∠Cは用いないほうが良い。

正弦定理より

ここで a=6 > b=2  より A > B なので B=45°

三角形の内角の和よりC=180-(45+60)=75°

正弦定理より

 

 

(3)∠C=45°、c=3であるように、1つの角と対辺がわかっているので正弦定理を用いる。

B=60°, 120° 

この問いの条件ではB=60°, 120°のどちらもあり得るので場合分けして考えていこう。

 

(i)B=60°のとき

三角形の内角の和よりA=75°

余弦定理より

解の公式より

 

(ii) B=120°のとき

三角形の内角の和よりA=15°

余弦定理より

解の公式より

 

 

いかがでしたでしょうか?

正弦定理・余弦定理を使う頻度はとても多いのでぜひ参考にしてみてください。

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そのほかにも色々な役に立つ情報を提供しています。

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