とうとう警察沙汰になった | ヨメトメ戦記

ヨメトメ戦記

2014年10月アルツと診断されて以降、ガンとして独居を貫いたシュートメと、トメ嫌いな鬼嫁の毒吐き記録。独居で約10年踏ん張ったが、2023年12月頃から急激に進行、ついに2024年6月、認知症専門病棟に医療保護入院となる(現在入院中)

起こるべくして起こったといえるのかもしれない。

とうとう、トメが警察に保護されるという事態が発生した。

きっといつかは・・と覚悟はしていたけれど、

あっという間に現実になっている。

 

それは某日夜のことだった。

まもなく22時、というほろ酔い時間に夫のケータイが鳴ったからドキリ。

警察からの電話だった。

21時30分頃、ひとり夜道を歩いていたのを心配したご親切な誰かが

ニンチさんかもしれないと通報してくれたのだった。

「引き渡すので来てもらえますか」との要請だったけれど、

私も夫もアルコールが入っていて動けない。

そう伝えると、まさかの「GPS」が役立った。

GPSで、自宅に戻ったことを家族が確認できれば、引き渡し扱いにするという。

そういう裏技があるんだね(特例的に、かも)。

 

保護された場所は、最近何度かトメがうろうろしていた界隈だった。

自宅からそう遠くはなく、距離だけなら大したことはない。

けれども問題は、「夜21時半」という時間帯である。

都会と違って、田舎はもう真っ暗、人通りなんて皆無に近いのに

なぜ、なんのために、そんな夜中に外に出かけてしまったんだろう?

コンビニにでも行きたかったのか、いや、逆方向だからあり得ない。

普通なら、パジャマに着替えて寝る準備をしていてもいい時間なのに、

しっかりバッグも持って、家の鍵もかけて、一体どこへ行こうとしたんだろうか。。

 

警察官によれば、保護した時、

「家の住所は言えたが、名前は言えなかった」らしい。

トメの性格からして、わざと別の名を言ったのかもしれない、とも思う。 

そして、鼻の頭と上唇にキズがあり、少し出血もあった。

どこかで転んだのか、はたまた家にいる時に既にぶつけていたのか?

聞いたところで本人が覚えているはずもない。

警察としては、ケガがあるのにこのまま帰宅させて

夜中に容態急変なんてことになってはマズイらしく、大袈裟とも思ったが

「一応、救急車を呼びます」と手配してくれた。

結果、軽い擦りキズ程度というお墨付き(?)を得て、まずは安堵。

 

その後、身動きできない私と夫の代りに、従妹夫婦がかけつけてくれて

身元引受書を記入提出したのち、警察と救急隊は撤収となった。

この間、トメ宅は警官3名+救急隊2名+親戚2名 の大賑わい。

これだけの人数が、あの狭いトメの部屋に集結していたなんて、

さぞや、トメが落ち着かなかっただろうと思う。

従妹夫婦が「また外に出てしまうのでは」と心配して、

しばらく家に留まってくれようとしたが、それは丁重にお断りして

むしろ早くトメを一人にして、静かな環境にしてくれるよう頼んだ。

結果、その後はGPSの位置情報が動くことはなかった。

 

きっと、同様のことはまた起こるだろう。

警察沙汰になったのだから、もう、トメひとりを自宅に置いておくのは危ない。

できればショートステイさせたいところだが、それは施設側から断られた。

トメには「脱走の前科」があり、「体を張った介護拒否」の実績も多々ある。

ショートステイ中、もしもの時に家族が駆けつけ、引き取ることができなければ

受け入れてもらうことはできない。

だったら、しばらくトメ宅に、私か夫が待機すればいいのか?

それは無理だ。仕事の都合もあるが、それ以前に、あんなクサイ家にいたくない。

それに、何日くらい一緒にいれば大丈夫、なんて保障もない。

家族が面倒みられないから介護サービスを使いたいのに、

介護サービスを使う条件に、家族が面倒をみることが含まれる、という

どうしようもないジレンマ。

 

もうこうなったら、何が何でも、入院だ。

トメの意向は、可哀そうだけど無視!

ケアマネにも、主治医からの紹介先に入院希望の旨を伝え、了承を得た。

頼りにならない夫のことは、頼りにしなければいいのだ。

淡々と、粛々と、とにかく前に進めていこう。

がんばれ、私。