安定した状態でなければ入所不可、のジレンマ | ヨメトメ戦記

ヨメトメ戦記

同居はまっぴら御免な鬼嫁と、それはコッチのセリフと吠えるシュートメ。
義母の異変に気づいてから、まさかの10年目突入です。
※2014年10月アルツハイマー型認知症と診断
※2024年2月現在、要介護2。小規模多機能を利用しつつ未だ独居生活継続中。

トメがデイサービスから脱走した。

脱走、なんていったら大袈裟かもしれないが

事実、施設から勝手に帰宅したのだから、ほぼ脱走だ。

 

それは、とあるデイサービス利用日の出来事で、

朝、職員さんが迎えにいったら出かける準備ができてなかった。

まだ朝食を食べている途中?だったらしい。

「じゃあ、あとでまたお迎えに来ますね」

ということになり、しばらくして再度お迎えに来てもらった。

当然、施設には他の利用者さんよりも遅れて到着したのだが、

その空気に、疎外感というか遅刻したような気まずさがあったようだ。

 

自然とトメは不機嫌モードに突入。

「ワタシ、今日は帰る」とバッグを手に出ていこうとした。

当然、職員さんたちが優しくなだめたのだが、

帰るといったら帰るの一点張りでもうトメられない。

最終的に、トメは勝手に裏口から外に脱走したのだった。

もちろん職員さんは追っかける。

トメは逃げる。

職員さんがクルマに乗せようと試みるも、ダメだったようで

結局、トメは一人で自宅まで歩いて(!!)帰宅してしまったのだった。

ソコソコの距離があるのに歩いて帰ったことにもびっくりだけど

そもそも、そこまで貫くガンコさに呆れてしまった。

認知症っていうより、ただのメンドクサイ性格だ。

 

トメの日常の課題は、そんなガンコで勝手な行動だけではない。

最近は、自宅での食事がさらに怪しくなってきた。

1週間分の買い置きをしても、あっという間に無くなる。

食べたいものが目の前にあれば、本能として食べてしまうんだろう。

「1週間分」だとか「少しずつ食べる」なんて計画性は期待できない。

デイ利用日は施設で夕食を食べてから帰っているけれど、

夕飯タイムが早いという事情もあってか、帰宅後また夕飯を食べている形跡も。

 

そんなこんなで入所を急ぎたいのだけれど、現実は厳しい。

申込済の某施設の管理責任者に、待機人数などを問い合わせたことがあるのだが

ぶっちゃけ、今のトメの状態では「入所は難しい」といわれているのだ。

 

以前も書いたけれど、ネックになっているのはトメ自身。

例えば、今回の脱走のような出来事があると

「集団生活になじまない人」と判断される。

ほかの利用者に迷惑をかけずに集団生活ができるか否か、

穏やかに施設内での生活を受け入れられるか、そこがポイントになると説明された。

 

「集団生活になじむ」とは具体的にどういうことか、尋ねてみた。

すると「安定した状態、ということが大事です」との回答。

安定した状態・・? なんだかあいまいな表現だ。

さらに質問した。

「ちなみに、安定した状態というのは具体的にどういう状態ですか?

うちの義母は、普段はおとなしくても、なにかのきっかけでブチ切れて

突発的な行動をとることもあります。今回の脱走のように。

でも、認知症なら、感情の起伏があって、状態に波があるのも当たり前なのでは?」

 

すると、オドロキの返答。

「状態に『波』があるのであれば、専門医の投薬治療を受けるとかしていただいて、

それを解消してもらってからでないと入所は難しいですね」

・・・え? なんですと?

 

不安定で、自立生活が難しいから、入所させたいのに

安定してからでなければ入所できないってこと?

現状の課題と入所要件が、どうにも噛み合わない。というか、真逆ではないのか。

それとも、もっと認知症が進んで、パヤパヤになってからじゃないと

入所できないってこと?

 

だったら、認知症治療薬なんて飲ませないでほったらかしにして、

ちゃっちゃと悪化させたほうが、早く入所させられるのか?

せっせとトメケアに通って、自立生活のサポートをしてきたことが

否定されたようなモヤモヤが襲ってくる。

 

もうすぐ本格的な冬がやってくる。

また低体温症になりやしないか、

また水道凍結しても放置してしまうんじゃないか

あれこれ心配するのももうウンザリ。

いや、違うな。ホントは私、心配なんてしてないのかも。

いっそ、低体温で具合が悪くなって、病院に行ってしまえ!とか

凍った道ですべってころんで、骨でも折ってしまえ!とか思ってる。

だって、そうなってくれたほうが楽だもの。

 

本音は隠せない。

 

いつかのビーバームーン。

「波」もなく、穏やかで「安定」した内海がキレイでした。