自民党はダメ、野党もダメで国民はどうしたらいいんでしょうか? Part 6 | ojinnohanseiのブログ

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Part5で文書通信交通滞在費と立法事務費について見直しましたが、ここでは政党交付金について見直してみたいと思います。

 

元来、国会議員(個人)や政党に対して企業・団体からの寄付金が認められていました。

しかし1980年代後半に発覚したリクルート事件や東京佐川急便事件を契機として、金に群がる政治家の金権体質に改めて国民の批判が高まり、逃げ切れないと観念した国会議員は仕方なく、政治資金規正法を改正して国会議員(個人)への企業・団体献金を禁止しました。 しかしながら企業や団体から政党への献金は引き続き認められました。

 

金のためならタダで起きないのが政治家(さすが!)、禁止された国会議員個人への企業献金の穴埋めとして国民の税金に目を付けたのです(彼らが法律を作るのですからどうにでもなりますね。 やる〜)。

国民のための行き届いた政治を実現するには金が足らないとして、1995年に政党助成法を成立させました。

政党交付金はこの政党助成法に基づいて政党に支給される制度です。

 

政党助成法はその名の通り、政党に支給する税金であって個人に支給するためのものではありません。

しかしながら政治資金規正法によって企業・団体から政治家個人に献金できなくなった損失の穴埋めにこの法律を利用することを思いつたのです。 政党という名でカモフラージュして最終的に個人の手に渡る方法を(どこまでも悪ですね)。

 

一旦、政党に交付された政党交付金はその後、支部政党交付金として政党支部に分配されます。

政党支部は政党の支店に当りますが、内実は一人の国会議員が店長兼オーナーを務めています。政党支部とは名ばかりの独立した個人商店です。

つまり政党支部の金庫に収まった政党交付金は、オーナーである国会議員のお金そのものということになります(マネーロンダリングをしているのです)。

 

政党交付金の使い道に条件や制限は一切ありませんから、何に使おうが使わないで残しておこうが自由です。

 

こうして政治家個人への企業献金が禁止され、それに代わって導入された政党への交付金も政治家個人の懐に収まることになり、元の鞘に戻ってしまったのです(開いた顎が外れてしまいました)。

 

さらにさらに、制限は設けられたものの(形式上は・・)、国会議員が代表を務める政治団体への企業・団体献金はもちろんのこと、個人献金も認められていますし、資金管理団体への個人献金も認められているといった具合です。

 

もうやりたい放題で、リクルート事件を教訓とした政治改革は一体何だったんでしょうか?

政党交付金という自動的に振り込まれる安定した収入源が新たに加わったという意味では、政治家にとっては大きな政治改革だったでしょう。

 

政党交付金は、日本の人口に国民一人当たり250円をかけた金額となっています。

因みに2019年度の政党交付金の総額は、 316億4500万円です。

大変な金額ですね。

 

 

主な政党の「2019年 政治資金収支報告書」の収入と、収入に占める政党交付金の比率は以下の通りです(本年収入額には立法事務費も含まれています)。

 

収入の部     収入総額  前年繰越金額    本年収入額(うち政党交付金/比率)            

自由民主党  30億円   185億円   244億円 (176億円 /72%)                  

国民民主党  165億円    108億円    57億円  (51億円 /90%)         

立憲民主党   88億円    18億円    70億円  (36億円 /51%)          

公明党    205億円    76億円   128億円  (30億円 /23%)           

日本維新の会  23億円     3億円    20億円  (15億円 /78%)          

日本共産党  214億円    10億円   204億円   (0億円 / 0%)        

 

日本共産党だけが政党交付金を受け取っていません。大したものです。

ほかの政党も見習ってもらいたいものです。

 

 

自民党の収入総額は他党を圧倒していますが、前年繰越額185億円が大きいです。

自民党の収入の多くは政党交付金(72%)が占めていますが、その他に党費約10億円と国民政治協会からの寄附23億円が目立ちます。

 

特にこの国民政治協会からの寄附金の大きさが、他党にはない大きな特徴です。

国民政治協会は、経済界が自民党に政治献金をするための政治資金団体で、日本全国に支部を持ち、法人からの寄附名には私達がよく耳にする企業名がずらりと並んでいます。

 

国民民主党は政党の規模に比べて繰越金が108億円と大きいですが、これは民主党が解党時に持っていた140億円を民進党が引き継ぎ、更にその金を国民民主党が引き継いだからです。

国民民主党の収入の大半(90%)は政党交付金であり、他に目ぼしい収入源のない国民民主党にとっては民主党から引き継いだお金頼みで、前途は厳しいでしょう。

 

立憲民主党は収入に占める政党交付金の比率が51%と、ゆとりを感じさせますが、内実は銀行からの借入金が20億円もあり、これが大きく影響しています。

借入金がなければ収入源は100%、政党交付金と言うことになってしまいます。

 

それにしても20億円という大金、借りる方も借りる方ですが貸す方も貸す方、返済の見込みがあるのでしょうか? あるのでしょうね、庶民には分かりません。

これが政治の世界の不思議なところですね。

もう一度、国民民主党との縁談でも模索するのでしょうか?

 

公明党は収入に占める政党交付金の比率が23%となっています。

公明党の最大の収入源は新聞等で74億円と、収入の57%を占めています。

その次に党費で13億円(10%)、支部からの寄附金が6億円(5%)などとなっています。

 

日本維新の会は政党交付金の比率が78%で、収入の多くを占めています。

党費が1億円(6%)と、他の政党との比較においては健闘していますが、それ以外に目ぼしい収入源はありません。

 

日本共産党については政党交付金を受け取っていないことについては既に触れましたが、

それにもかかわらず公明党をも上回り、自民党と並ぶ200億円台は敬意に値します。

共産党の最大の収入源は新聞等の176億円で、収入に占める割合は86%となっています。

その他に支部からの寄附金11億円(5%)、個人献金6億円(3%)、党費6億円(2%)などとなっています。

 

以上、各党の収入の中身について概観しましたが、政党交付金が無くても大丈夫なのは共産党は言うに及ばず公明党ですが、金権体質の自民党は悪知恵を働かして穴埋めをしようとするでしょうね。

日本維新の会は自民党と共闘しようとするか読み切れないところがありますが、このままでは政党交付金が無くなれば立憲民主党、国民民主党と同様じり貧になるでしょう。

 

次回は支出についてみていきたいと思います。