フリーランスの人脈を支えるダイアログ

 

2024年1月20日 鈴木 友之

 

 サラリーマンの定年を機に卒業してフリーランスの仕事に移った時に、一番大きく感じた変化は、自分の意思に沿って仕事を選べることだった。もちろん、仕事は自分から作り出すというよりも、人から依頼を受けて、或いは依頼が来るように働きかけて仕事はあるのだが、それでも、依頼のあった仕事を実際に受けるか否かの選択肢が自分にあることは一番の良さに感じた。

 

サラリーマン時代は、選択肢はあるようで実際にはないに等しい。例えば「転勤してもらえるだろうか」という打診ベースの話しがあっても、実際には「できません」と答える選択肢はない。それにも拘わらず、「出来るだろうか」と尋ねる理由は、特別の家族の事情などで支障が出たりしないだろうか、予め準備が必要な事情はないだろうかと確かめるためだ。  

 

では、フリーランスになっての一番の課題はなんだろうか。それは、じっとしていても仕事は来ないということだ。即ち、自分という存在、換言すればどんな能力とそれを裏付ける実績があるかを知ってもらうこと。一方で、世間にどんなニーズがありどんな企画が進行しているか、その動きの中に自分の存在を組み入れて、活躍の機会を引き出すかが鍵。これを一言で言えばアンテナを張るということになる。アンテナは情報収集の武器であり情報発信の武器でもある。そして、アンテナにはアナログ系とデジタル系がある。デジタル系は文字通りデジタルデータを発信する事であり収集する事であり、自分自身の工夫と努力で可能となる。しかし、アナログ系は自分自身の努力と工夫だけでは成立しない。何故なら、人脈と言うネットワークを通して情報を発信し収集するからだ。

 

 人脈というと何か古臭いように思われるかもしれないが、実のところ、仕事は人を介して行き来していると言って過言ではない。仕事の発注、受注に留まらない。仕事の企画のアイデアも何気ない人との会話の中からたくさんのヒントが浮き上がってくる。ひとに話している話を聞いている自分自身が重要だ。人に話しているなかで、思いもよらないことを自分がつぶやいていることに気づくことは、どなたも経験があるだろう。こういう会話をダイアログと称する。例えば、米国だけでなく世界のデジタル人材がシリコンバレーに集まるのは、デジタルネットワークではカバーできないフェイスツーフェイスのダイアログが重要と言う証左に思う。人脈と言うネットワークを支える最も重要なカギはダイアログと考えるが、どうだろうか。

以上

2024年1月20日
延川和治


サードキャリアを向かえても、やはり自分がひたむきになれるものを求めて、それに浸る日々を過ごしていくことが、自分の幸せを生み出すことにつながるのではないかと思います。

自分は誰なのか、自分には何があるのか(何を経験し、何を知っているのか)、そして自分は誰を知っているのか、誰に知られているのか(人脈)、これらを洗い出し、自分が創り出したいもの、ひたむきになれるものに向かって、活用し、これらを組み立てていく、こんなアプローチがサードキャリアになっても、自分のキャリアを創りだしていくことに有効なのではと思います。

年齢が高くなった自分を、たとえ自分は若いときと変っていないと言い張ったとしても、若いときの自分と同じようには、一般社会の組織は受け入れてくれないと思います。 自分が正当に評価されているという印象を得る一般社会の組織の仕事に就くことは、残念ながら大変に難しいと思います。

組織に入ることを通して社会的貢献を求める未練は捨て、セカンドキャリアで既に始めておられる方もいらっしゃるとも思いますが、自分がしたいものを、自分が持っているものを活用し、自分の人脈と一緒になって、作りあげて行くことが、サードキャリアでの充実感につながると思います。

自分が知る人、そして自分を知る人、お互いに信頼出来る相手、これら人脈が自分の幸せに大きな役割を持つことを改めて意識します。 ファーストキャリアでも、セカンドキャリアでも、そのときそのときに作り上げられた人脈が大きな役割を果たしていると思います。
またこうして進めていくうちに、サードキャリアでも新しい人脈にも出くわすと思えます。 

人脈は皆様それぞれが、今からでも常に創り出していける充実した生活への原点の一つと思います。 

人脈、人と人の繋がり、いつの時でも大切にしたく思います。 

自分の幸せの為に、そしてつながった相手の幸せの為にも。
 

中高年のセカンドキャリアと外部コネクション

                     2024年1月16日 大圖健弘

 

 個人がキャリアを選択する中において、個人の持っている外部コネクションが重要な役割を示すことは、色々なキャリア教育を受ける中で必ずと言っていいほど重要視されている。キャリアコンサルティングを行う中でも、キャリア選択を行うための職探しの一つの方法して「知り合いの紹介など自身の持っているコネクションを外部資源と認識し、活用する」ことはコンサルタントが相談者によくお話しすることの一つとなっている。

 一方、転職市場がかなり拡大してきた現在、転職サイトや、転職エージェントがかなり身近になってきており、人の紹介に頼らなくても活躍できる舞台を探し出すことがかなり容易にできるようになってきている。又、新規学卒者や若年層などの場合、自身の持っている人的コネクションといってもそんなに広範なものでもなく、勢い利用できる人的コネクションが親のコネであったりすることが多く、自立したい彼らにとって、人的コネネクションを活用したキャリア開発はむしろ忌避されるような手段であったかに思う。

 これに対し、中高年層がセカンドキャリア選択を行う場合、人的コネクションを活用したキャリア開発は非常に重要な手段になり無視出来ない手法である。なぜなら、高い年齢層になるほど、外部で公開されている就業機会は減ってしまいがちであり、同じ就業機会につこうとしても、例えば、面接においてより若い候補者に先を越され就業機会を逸したりするなど、なかなか、こうしたルートでの就業機会の獲得は難しくなってしまうからである。特に60歳以降でセカンドキャリアを求める場合などを考えると、余程個人が突出した経歴や、能力を有さないと外部で公開された就業機会で就業することは難しくなるし、逆にそのような能力や経歴を持っていれば、少ながらず、人的コネクションを通じた仕事の紹介も現れてくるからである。今、少し触れたように、こうした年齢になると、職業紹介機関等に頼るよりも人的コネクションを活用したキャリア開発の機会の方が、かなり有効になってくる。この年齢になると人は多分に職業経験を持ってきておりその中で、また、職業経験以外の経験の中でも多くの人との交流の歴史を積み重ねている。「いやいや自分は付き合いの幅が狭くて」と思っている人であっても、逆にその狭い付き合いの中で深い付き合いをしてきており、何かと相談できる人が存在することが多い。こうして、中高年になると、これまで考えていなかったかもしれない人的コネクションを活用したキャリア開発の方が、重要なキャリア開発手段に変わってくるのである。この人的コネクションの活用は、何も会社に就職する場合だけでなく、起業したり、自営業を継いだりする場合においても重要なファクターになる。

そして、こうした人的コネクションを基にしたキャリア開発の世界では、そのきっかけが人的関係によるものであるため、自身への信用度や、理解度が高いキャリア機会の提供になり、単に転職エージェントや転職サイトを活用したキャリア開発の場合より、次の仕事に入りやすかったり、仕事がしやすかったりするといったメリットもある。勿論、その反対に紹介してくれた人物の信用を汚さないために、新しいキャリアで誠心誠意尽くす必要があるという制約条件があるわけだが、仕事をしやすいというメリットは、これまでにない利点であると考えられる。こうしたことから中高年でセカンドキャリアを目指す方には、是非、人的コネクションを活用したキャリア機会の確保をお勧めする次第である。

 この機会を確保するためには、日頃から、仕事の中で多くの人と良好な関係を築いていくことが重要である。中高年齢層に至った方とお話しさせていただくと、「なかなか、これまで仕事を一緒にしてきた仲間を通じて、仕事を紹介してもらうことは、難しい。なぜなら、その場限りの付き合いで何年かするともう関係ない人になっていることが多いから。」といったお話を受けることが多い。確かに、仕事をしている中で、「自分がセカンドキャリアを目指すのに活用するために、人とつき合おう」と思っている人は少ないと思う。しかしそのような意識をしなくとも、真摯な付き合いをしていると、必ず、自分の人間性を理解し、自分のことを思ってくれる人物が、何人か存在するはずである。要は一つ一つの機会をないがしろにせず、真摯に向き合って仕事をしていくことが人的コネクションを築く中でも重要なことである。是非、そうしたことを胸に止めおきながら、キャリアを積んでいく方が増えることを祈っている。

 

                                 以  上

 

定年後のキャリアを支える「活力」の源は?

2023年12月17日 鈴木 友之

 

ある同期の集まりでひとりが「70歳過ぎて電気工事士2種の資格を取った」と話した。エッと驚いて取得理由を聞くと、相続した不動産(アパート)のちょっとした改修をいちいち人に頼まなくても直ぐに直せるようにしたいと思ったと言う。ナルホド、老化防止になるし経費削減にもなる、と納得、その意欲に感動。

別の友人で同じく70歳の女性が半年間の職業訓練で造園士の資格を取得して、植木職人のスタートを切ったという。

もう一人、70歳後半に入っている知人は、自宅の離れを利用して食堂を開店して既に10年以上経つ。ご主人が作る自家栽培の野菜も使って週に1回の営業。友人たちの手作りの漬物やジャム、手工芸品の展示販売もして、地元の主婦たちの集会所にもなっているようだ。

 

どの例も、定年後の仕事を卒業した後に、趣味というよりも仕事として始めている。ひと昔前なら、悠々自適として、例えば同じ電気工事でも、自宅のオーディオをいろいろと「アーでもない、コーでもない」と真剣にコンポーネントを組み替えたりして楽しんでいただろう。植木職人の姿も、ひと昔前ならば自宅の庭木や盆栽の手入れに忙しくしていたのではないだろうか。野菜作りの多くは、市民農園などで野菜作りをして同じ市民農園を利用する人たちとの交流を楽しんでいただろう。いずれの例も、従来の概念とは何かが違う。

 

 経営学のP.F.ドラッカーの著書「マネジメント」の中で「3人の石切職人」という逸話が紹介されている。3人の石切職人が何をしているか聞かれて、「暮しを立てている」「最高の石切りの仕事している」「教会を建てている」と答えた。そこでドラッカー先生は第3の職人こそマネジャーであり、第1の職人の考えでは一生マネジャーにはなれない、第2の職人の目的をやり過ぎると本来の目的から逸脱する危険があるという。

ここで「教会」とは祈りの場を提供する趣旨から目的は「社会貢献」と理解し、「最高の石切」を「成長」と理解すると、目的には「収入」「成長」「社会」の3つあり、マネジャーの観点からは第3の職人が適格としても、3つの目的に優劣をつけることとは違うと思う。

 

今一度、仕事の目的と言う原点に立ち戻って考えると、3人の石切職人がそれぞれにあげた目的「収入」「成長」「社会」という3つは相互に関係しあっていて、切り離せないものだと思う。例えば、「収入」は技術面での「成長」を実感できる証になるし、「社会」により大きな喜びを提供できれば、これも「成長」の実感に繋がる。最初にあげた年配者の取り組みも、単に趣味としての範疇を越えて3つの目的「収入」「成長」「社会」がセットになった手応え感が「活力」の源と理解されるが、いかがだろうか。

以上

サードキャリアと活力(居場所の発見が鍵)

2023年12月16日 大圖健弘

 中高年から高年に至るにつれ、セカンドキャリアからサードキャリアと人生におけるステージが進化していく。セカンドキャリアまではこれまでの経験等を生かして、新しい世界にチェレンジしていく方が多いと思う。しかし、それ以降のステージに進もうとすると、これはなかなか大変な道になってくる。

勿論、加齢が進み、体力的にもキャリアを積むことに対して負担が大きくなるということがあるし、例えば、65歳でセカンドキャリアを卒業したとして、その年齢以降で例えば自分のついてみたいと思う仕事がなかなか見つからないといった、社会的な壁も立ちはだかってくるかもしれない。ここで、サードキャリアと小生が論じるのは、必ずしも仕事、職業ということには限らず、自分が主として取り組もうと思う活動のことを指しているのであるが、それがなかなか見いだせず、漫然と一日を過ごし、時を過ごす人が多いように感じられる。

 充実したサードキャリアを過ごしていくにはどうすればいいのかと考えてみたところ、一つには生き生きとして活力をもってものに立ち向かう必要があるということが、よく言われることである。しかし、何も目標がない中で活力をもってといわれても、活力は沸いてこない。先に述べたように、必ずしも自分のこれまでの経験を生かした仕事などが、サードキャリアになるとは限らないので、目標をどう持つかということから考えることが必要である。ここで、小生は日頃趣味で行っている合唱の仲間の高齢者の愚痴を思いだす。彼らはよく「必要とされているうちが花」とか「自分を必要としている人がいないからなあっ」という話を口にされる。どうも、自分が主体的に必要とされる居場所がないのでなかなか活力がわかないということのようだ。

 そこで、小生は、サードキャリアを実りあるものにするには、自分の居場所をしっかり探し出し、それに注力できるように活力をつぎ込むことが鍵ではないかと考える。その居場所というのが仕事なのか、ボランティアなのか趣味なのかについては、それぞれ個人によって違いがあるのかもしれない。ただ言えることは、これまでの経験だけに頼るのではなく、広く世の中を見まわし、これならば自分が必要とされるであろうという分野を早く見つけることが実りあるサードキャリアを実現する鍵だということである。ここに自分の活力を注力することによって、いいサードキャリアをすごせるのではないだろうか 。

 

                                以 上

2023年12月16日

延川和治

 

定年を迎えられ、現役のときのキャリアを諦めざるを得ない環境でも、なんとかご自分なりに納得され始められたセカンドキャリア、そのセカンドキャリアにも体力・健康面の衰えや、周囲のご自分への扱いに、そろそろ陰りや限界を感じ始められる70歳ごろから後期高齢者の方々、「引退」の文字がちらちらと頭をよぎるように、なられているのではないでしょうか?

 

それでも、まだまだ「引退」はしない、あるいは、体力が無くなってきている自分でも何かできるはず、まだまだ仕事をしたい、と思われている方々、果たして次の仕事はあるのでしょうか?

 

セカンドキャリアの次、サードキャリアを考えて見ましょう。

今のご自分が、これからも出来ると思うことは何ですか?

いくつかありますね。 

そのなかで、ご自分がやりたいことは何ですか?

それはどうしてですか?

それを社会が受け入れてくれると思いますか?

それは社会の人々の役にたちますか?

そう思われる背景は?

 

ファーストキャリアで活躍されていた時代から随分と時間も経ち、社会も変り、通念も変り、価値観も変り、ご自分をとりまく環境は激変していると思います。

その激変のなかで、ご自分を「売り」に出せるのは、それが「今の皆様の役にたつ」かどうか

にかかっているのではないでしょうか?

 

また「皆様の役に立つ、皆様の為に」の意識は、ご自身に「やる気」・「活力」も生むと思います。 ファンの声援に応えて頑張る野球選手のような感覚です。 落ちてきている体力に、少しでも力を与えるとも思います。

 

また、サードキャリアを発揮される場所は、比較的身の回りのお客さんの顔が見える「小さな仕事」なのではないでしょうか?

セカンドキャリア末期に体感された周囲の冷たさ、大変悔しいですが、これが現実と理解する必要があるのかもしれません。

「小さい」の表現に抵抗感があるかも知れません。 でも「小さい」が故に、皆が見逃している分野があると言えるかとも思えます。 ニッチのところに、貴重なユニークさを発揮できるチャンスかも知れません。

 

完全に動けなくなってしまっては、なかなかサードキャリアでのご活躍は難しくなるかも知れません、しかし「筋肉はいくつになってもつく」と聞きます。 

是非ご健康には注意され、周りの方々のお役に立つ、活力有るご自身の能力を発揮されてください。

 

小さくても、活力あるサードキャリアライフ、ご活躍を期待しています。

 

以上

定年後

2023年10月28日

延川和治

 

定年って何?

会社との契約の終焉?

自分がやってきたことが年齢を重ねるうちにやれなくなりギブアップすること?

会社との契約が有る無しにかかわらず、一つの節目、自分がやってきたことを達成した、あるいは達成には届かないけど、ある年齢になってしまい、いずれにしても、いまの仕事から退かなくてはならないとき、あるいは自分でギブアップするとき。

それが定年でしょう。

 

その先働くことが必要ですか?

働かなくても生きていけますか?

 

働かざるを得ないとき、難しいのは、その次へどう移るのか。

若いときに就職したときとは年齢が大きくちがう、つまり社会が自分を見る目がちがう。

まわりの社会がかわっている、自分が従事していた分野ならいざ知らず、それ以外の社会は知らないところで大きくかわっている。 以前社会に対して自分の価値を売り込めた自分が、自分の思う自分の価値が社会が思う自分の価値と違うこと意識させられる自分に出会う。 

今までのようには社会は自分を買ってくれない。それがこのタイミングだと思います。

 

かろうじて、自分の感覚と社会の感覚が近いのは、自分が定年前にいた世界。

あるいは定年前から準備していた世界。

今の会社を離れて、いままでいた世界でどれだけ活躍できますか?

本業をやりながら育ててきた副業で、これからどれだけ自己実現できますか?

ここにも厳しさがあるように思います。

 

あなたの夢は何ですか?

あなたはこれから40年、どんな毎日を過ごし、どうなっていきたいですか?

これから体力は日に日に落ちます。 頭も目も身体も思うように動かなくなります。

そのなかで、その夢を達成するにはどうしたらいいと思われますか?

いまその夢に向かっていますか?

いま何合目にいますか?

 

人生100年。

健康で生き生きとしたい時間が長くなる時代。

そこにいる自分が、どうしたら長く生き生きと過ごせるようになるのか。

 

中高年の私達は、その最前線にいます。

誰もがいままで経験していない最前線。

正解にむかい誰かが敷いてくれている線路はありません。

最前線にいる私達が自分で、それぞれ敷いていくしかありません。

 

一緒に探しましょう。

 

ご自分が達成していきたいことを共に明確化して、

それをできないと思わせることを共に打破して、

まずアクションを起こして。

 

これまでやってきたことが役にたつ喜びを感じながら、あるいは

新しいことをやることで役に立つ喜びを見いだしながら、

前に進んでいくご自分を作りましょう。

 

そのサポート役がコンサルタントです。

 

                                                 以上

 

定年後の仕事を続けるカギは

 

2023年10月9日 鈴木 友之

 

 定年後の再就職では多くの場合、契約雇用となり、契約する年数(多くは1年)ごとの再契約あるいは別の企業への再就職となる。新卒で就職した時のような長い年数の後に来る定年はないのが実態だ。しかし、それも慣れれば、欧米のような雇用形態に近いものであり、そういうものだと納得がいく。何故、そう言うものだと言えるのか。終身雇用契約では総合職或いは一般職として就職してからは、いろいろな部署と仕事の種類(職種)を異動や転勤して経験を積み多様な仕事への対応力を身に着けながらベテランへと成長する。しかし、定年後に提供される仕事の機会は、実質的には、最近に話題になってきて広がりを見せるジョブ型雇用に近いと言える。自己申告や特別に会社側での事業変革の必要性から新たな組織改編と人的再編を図ることがない限り、同じ仕事の契約を繰り返し続けることとなるからだ。ただし、いつ企業側が契約止めをするかは分からず、契約更新の保証がないことから不安定な身分と言える。

 

 では、契約を更新して同じ仕事を継続確保する、或いは自ら仕事を変わる、といった自律的な仕事の継続と変化を得るにはどうしたら良いだろうか。それには成長を目指す一方で、現在の仕事で雇用され続ける力を身に着けながら、時代の変化に伴って生じる新たな仕事への転換能力も身に着けることが重要になる。それには同じ仕事でのスキルアップと共に、新たな仕事に適応できるよう自己研鑽に努めることがポイント。これを最近ではリスキリングと言い、従来からある表現では、学校教育後の教育という位置づけでリカレント教育と呼ばれている。

 

 ではどんなスキルアップを目指したら良いだろうか。まず、現在の仕事を継続する観点からは、社会構造や産業構造の変化に伴って現在の仕事の必要性がどのように変わっていくか、変える必要が有るかを考えると良い。成長という視点を軸に常に変化をしていかなければ、飽きられ取り残されていく。例えば、宝くじのコマーシャルを見れば良く分かる。同じ宝くじでも、賞金額を増やし呼称を変え、宣伝も登場人物や舞台を変化させて、興味を常に引くようアピール方法を変えている。継続とは全く同じことを続けることではなく、社会環境や産業構造の変化を先取りして、むしろ時代をリードしていけるようスキルアップを図ることが必要と言える。

 

 スキルアップを考える時のキーワードは、「プランドハプンスタンス(計画された偶然性)」を挙げたい。自分の興味・関心と価値観の2つを軸にして、現在の持っていないスキルを身に着けるべくトライしていく。その理由は、興味や関心がなければ続かないし、深さや高さ広がり或いは斬新さといった何らかの視点での成長という変化が期待できないし、価値観の支えがなければ継続できる保証がないからだ。常に何かを変えていく意識を大事にしながら取り組みを続けることで、ある時、突然かつ偶然にも、今までやってきたことがうまく適合し、実は全く新しい世界に入っているといった場面に出会う。現役時代のような予め決めたゴールを目指すというよりも、定年後は「変化」と「成長」をカギに位置付けて、今の仕事での取り組みを「継続」されて、結果として新しい世界に進んでいかれるよう期待し応援していきます。

 

以上

あなたいくつまで働きますか?

2023.10.1 大圖健弘

 

 キャリアコンサルティングを行っていて最近よく感じることの中に一つが、特に、中高年の相談者の方から、「自分は今後何をやったらいいかわからない」という話題を向けられることが多いことだ。また企業の人事担当者が、自社の中高年社員のキャリコンを行おうとするときにも、「定年後の生活をどのようにするかも含めてコンサルティングを受けさせたい。」というお話を伺うことが結構多く経験する。確かに、人生百年時代を迎えるにあたってこうした課題を解決することが、中高年のキャリアについて考える大きな課題かもしれない。たまたま、筆者の場合はこうしたことに対して考えるべき時代に、自分のキャリアに大きな転換点があって、このような内容について考える余裕がなく、定年前後の時代を経過してしまったので、なかなかこのようなことに気づくことがなかったが、そんなことが無かったら筆者も定年前後でこの問題にぶち当たってたかもしれない、そして筆者の場合、定年時で仕事などはやめて違う人生を歩んでいた可能性も大きくあったように思う。最近、高齢者といわれる年齢になって「自分は今後何をやっていこうか」と筆者は遅まきながら考えるようになってきた。

 さて、「今後自分は何をやって生きていこうか」と考えるにあたって、それが職業人生であるとすれば、まず「自分は何歳まで働くのか」についてある程度目途付けしておくことが必要ではないかと思う。現在の自分の年齢と、働き終わる年齢との関係によって、やるべきことが異なってくる。比較的まだ長期間働くつもりであれば、新しい分野に挑戦することができたり、現在のキャリアのフィールドでもっとやることを極めたりすることができるが、自分に残された時間がそんなになければ、取り合えず自分のこれまでのキャリアの延長上で仕事を行っていくことが最良の選択となりうる。勿論、自分がいつまで働くかなどと考えても、その期限の年齢になってもまだ仕事を続けようと思いなおすこともあるだろうし。逆にこの年齢まで現役でと思っていたにも関わらず、健康等の事情から働くことを断念することもあるかもしれない。特に、中高年齢層の場合、年齢を経るにしたがってこのような未知のリスクは大きくなってくる。しかし、まずは目標年齢を見据えることによって自分の将来計画を立てる基礎にすることができる。

 ある一定の年齢が来たら、「自分は何歳まで働こうか」ということをいったん立ち止まって考えてみることの意味は意外と大きいものである。

 

                                                                                                 以  上

なぜに、政府までがリスキリング

 

2023年6月3日 鈴木 友之

 

リスキリング、リスキリング、企業の事業再編に伴う取り組みから国会の議案まで、いろいろと話題になってきている。理由は、VUCAの時代の象徴である技術革新と事業再編の流れで必須の課題だから。ということは理解出来るが、なぜにこうも、企業だけでなく政治家も焦ったように取り上げるのだろうか。

 

我々が歩んできた企業人生のなかでもリスキリングがあった。というよりもリスキリングの連続だったと言って過言ではない。

ある人は勤務先の会社で工場の電気設備関係を中心に仕事をしてきたが、40代で会社の事業環境がガラっと変わった。ある工場は海外へ、ある工場の製品は撤退、といった流れの中で、数万坪ある工場の敷地も不要になった。会社は不要になった工場跡地をショッピングセンターや住宅地開発といった変身を考えた。そこで、工場の電気設備担当だった人の仕事も変わるため、社命で宅建の資格取得することになった。電気主任技術者だけでなく宅地建物取引士の資格も持つマルチタレントに変身した。これはまさにリスキリングの走りではないか。

 

このように、、昔も今もリスキリングの連続だったと言えるが、いまの何が大きな特徴かと考えると、次の3点になると思う。

第1に、昔は、企業内での事業変革に伴う社命でのリスキリングが中心だったが、今では企業を越えた産業全体に広がるリスキリングになっていること。

第2には、産業の事業変革が大規模で待ったなしである事。即ち、DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)では、グローバルレベルの競争と生存をかけた取り組みになっていること。

第3には、企業自体が「Going Concern」として将来にわたって事業継続していける保証はないこと。企業自体が変身するときにはそれまでの企業とは全く違う企業の可能性が大きい。社員も一人ひとり、自分はその変身にどう貢献できるか考え、自らのリスキリングを考える自律的行動が求められている。時には、勤務する傍らリスキリングをするような生易しいレベルではなく、一旦休職や転職も必要になる大きな課題であること。

 

このような大きな課題を背負った現在のリスキリングテーマにおいて、企業レベルを超えた支援を国政面からも必要なこと。その中で、われわれキャリアコンサルタントも、グローバルベースでの産業構造の変革の方向性を俯瞰しながら、人びとが直面する個々の環境と問題に一緒に向き合って、新しいリスキリングの方向性を明確化し、取り組みの第一歩を踏み出せるよう支援する、そのような自身のリスキリングに取り組まねばと改めて考えている。