ハート管理「譲渡担保」を巡って熾烈な争い!?
トラスト管理がハート管理を訴えた12の裁判の中で唯一「南志摩センターロッジとフェニックス邸の別荘の明渡しを求めた2つの裁判は、何れもハート管理が勝訴した。
そこでトラスト管理は白浜の温泉施設の土地建物を新たに加え、3つの裁判を一つの裁判として新たに1審の大阪地裁に提訴し、1審の大阪地裁ではトラスト管理が勝訴したものの2審の大阪高裁でハート管理が主張する「譲渡担保」であることが認められたことで敗訴している。
トラスト管理は判決を不服として最高裁に上告するも、最高裁は原告のトラスト管理の訴えを棄却したことで2審の大阪高裁が下した判決が確定しています。結局、トラスト管理は自分の起こした裁判で自分の首を絞めるという皮肉な結果に終わって居ます。
全国の大型分譲地の道路敷きを返せとトラスト管理を提訴
そればかりか、上記の結果を受けて逆にハート管理から全国50箇所の大型分譲地の管理事業に必要な道路敷きも同様に「譲渡担保」であるとして、借りたお金を返すから、トラスト管理名義にしている全国50箇所の大型分譲地の管理用地を約束通り返してくれと、ハート管理は3億円の供託金を大阪地裁に納めてトラスト管理を訴えています。
1審の大阪地裁は、被告のトラスト管理に和解を進めましたがトラスト管理はかたくなに拒み、闘う姿勢を崩さず、裁判は長引きました。
一方、ハート管理の和泉代表が第一線から姿を消してその動向が掴めなかったが、トラスト管理は和泉氏を味方に付けて、大阪地裁に陳述書を提出させて巻き返しを謀ってきました。
大阪地裁は審議をこれ以上延長しないとして打ち切り、2026年1月13日にトラスト管理に敗訴判決を宣告したが、トラスト管理は2審の大阪高裁で和泉氏の陳述書で巻き返す予定です。
裁判所は状況証拠を積み上げ譲渡担保を立証!
1)裁判所が認定事実として上げたもの
(1)代表者である上野氏が原告グループの実質的経営者であり、全国の大型分譲地における実質的な事業に従事していたこと。
(2)福岡のケイ・アール・ジー(以下福岡KRGという)に譲渡後も本件管理事業を受託し、本件事業を担当。H29(2017)年1月、小川清一が死去後、小川慶が代表に就任するも、本件管理事業から手を引くことにした。
(3)H29年9月8日付けで事業譲渡契約書を作成し、福岡KRGに500万円を支払って、その2条1項で福岡KRGは、H29年8月8日に全国約78箇所の大型分譲地の私設水道や温泉等の維持管理などをKRGランドに譲渡し、更に2条2項でKRGランドは、福岡KRGから取得する不動産名義及び本件管理事業のノウハウについても移行集約するものとする。
3億2500万円の譲渡対価として、H29年8月8日に譲渡契約の手付金として、KRGランドから500万円を受領。KRGランドは、譲渡担保代金の中間金として3000万円をH29年10月末までに所有権移転と引き換えに支払う。
(4)柴山克也は、被告グループ会社全体の実質的経営者で、上野と柴山はH29年当時、白浜分譲地等で不動産の共同購入・販売の事業を展開。H29年10月6日付けの買付証明書を作成。1筆、売買代金を3000万円とするH29年10月13日付けで売買契約書1を作成した。
(5)売主を福岡KRG及びシティトラストは、売買代金を3000万円とするH29年10月13日付け売買契約書を作成。
(6)被告シティトラストは、H29年10月31日付け売買契約書を作成し福岡KRGに3000万円を支払う。
(7)被告シティトラスト及びKRGホームは、賃貸人を被告シティトラスト、賃借人をKRGホームで、契約物件を不動産1、賃料を月額45万円、期間を平成30年6月1日から1年間として同日付け事業用賃貸借契約書を作成。
(8)福岡KRG、原告、KRGランド等は、H30年9月26日付け新・管理事業譲渡契約書を作成。
(9)福岡KRG及び被告シティトラストは、売主を福岡KRG、買主を被告シティトラスト、売買の目的物を不動産2、売買代金を1億6000万円とするほか、平成30年9月に土地売買契約書を作成。
被告シティトラストは、平成29年9月8日に手付金500万円を福岡KRGに支払う。
(10)被告シティトラスト及び原告は、賃貸人を被告シティトラスト、賃借人を原告、賃料を月額155万円、期間を平成30年9月28日から10年間とし、平成30年9月付け「賃貸借契約書2」を作成した。
目的物件に係る備考欄の記載
被告シティトラストが所有する管理事務所、私道、水道施設用地、私設水道施設及び関連施設を原告が借り受けインフラの維持管理事業を行うことを目的とした賃貸借契約書の特約事項では、平成35年12月10日までに本対象不動産を1億89000万円で買い受けることができる売買予約条件付の賃貸借契約であることを被告シティトラスト、原告らは再確認した。
(11)被告シティトラストが、被告トラスト管理に、不動産賃貸借契約書に関し、平成30年9月28日付け地位譲渡契約書を作成。
(12)被告シティトラストは、平成30年9月28日、福岡KRGに1億5500万円を支払った。
(13)原告は、令和4年6月17日までに、元利金合計2億4013万2666円の支払を受けるのと引換えに所有権移転登記手続を請求する旨の同月14日付け譲渡担保取戻通知書を送付した。
2) 譲渡担保契約の成否について
(1)譲渡担保契約の成否に関する事情
前記前提事実、認定事実、後掲証拠及び弁論の全趣旨によれば、譲渡担保契約の成否に関して、以下の事情が認められる。
ア) 不動産1は、三重県の南伊勢町の分譲地「パールランド」の管理事務所とその敷地であり、不動産2は、全国各地の大型分譲地の道路敷、管理施設用地等であり、(中略)原告グループが不動産1及び2を使用する必要性は高かった一方、被告グループが自らこれを使用する必要性は低かった。
イ) 原告グループが、本件管理業務のために占有し、使用し続けていた。
ウ) 旧事業譲渡契約書及び新事業譲渡契約書による福岡KRGから原告グループへの本件管理事業の譲渡の一環としてされたといえる。
(ア) 福岡KRGは、代表者に就任した小川慶が、原告グループに本件管理事業を譲渡することとして、事業譲渡契約書を作成、同年10月20日に作成された可能性がある。
(イ) 旧事業譲渡契約書においては、3億2500万円と定められ、新事業譲渡契約書においては、これが減額されて1億6000万円と定められた。
(ウ) 福岡KRGから被告らへの所有権移転登記がされた。
(エ) 不動産1につき売買代金の名目で3000万円が、不動産2につき売買代金の名目で1億6000万円が、それぞれ支払われた。
(オ) 旧事業譲渡契約書5条3項、26条8項(8)及び新事業譲渡契約書3条1項には、被告シティトラストが原告グループのスポンサーとして事業譲渡代金を支払う旨の記載がある。
(カ) 福岡KRGとKRGランドらとの間の平成29年9月8日付け新・業務委託契約書に、本件管理事業をKRGランドらに譲渡し、その譲渡代金を3億2500万円とするとの記載がある。
(キ) 平成29年10月6日付け買付証明書に、被告シティトラストが、福岡KRGに対し、不動産売買代金3000万円を旧事業譲渡契約書における事業譲渡代金の一部金とするよう求める記載がある。
(ク) 新事業譲渡契約書1条1項に、譲渡代金1億6000万円により、A)管理事業を原告に、B)管理用地を被告シティトラストに譲渡する旨の記載がある。
(ケ) 売買契約書2の特約事項1、に「本件売買に伴う管理事業の承継」という記載がある。
エ) 平成29年9月ないし10月の売買契約書1の作成当時、柴山は、前記ウの柱書の事情を認識していたものといえる。
(ア)原告代表者は、平成29年9月8日時点で、原告グループと福岡KRGとの間で前記ウ(オ)及び(カ)の内容の合意が成立しており、事前に柴山にその内容を説明して事業譲渡契約書等のコピーを渡し、承諾を得ていた旨供述する。
(イ)㋐平成29年9月当時、柴山及び上野は、共に白浜で不動産の共同購入・販売の事業を行うなど、良好な関係にあったこと、
㋑上野は、その譲渡の内容を説明するのが自然であり、それを説明しない理由が見当たらないこと、
㋒旧事業譲渡契約書において、上記スポンサーに当たる被告グループに旧事業譲渡契約書の内容を伝えることが想定されていたといえること、
㋓証人柴山も事業譲渡契約書及び新事業譲渡契約書を見た旨供述するが、(中略)前記(ア)の原告代表者の供述に沿うから、同供述は信用することができる。
(ウ)平成29年10月6日付け買付証明書に、不動産1の売買代金3000万円を旧事業譲渡契約書における事業譲渡代金の一部金とするよう求める記載がある。
(エ)売買契約書2の特約事項1に「本件売買に伴う管理事業の承継」という記載がある。売買契約書2においては、売買代金1億6000万円から、従前KRGランドが福岡KRGに支払った事業譲渡代金の手付金500万円を控除した残額1億5500万円を被告シティトラストが支払うこととされている。
オ 柴山は、売買契約書1及び2の代金並びに賃貸借契約書1及び2の賃料につき、上野から伝えられたとおりの代金額及び賃料額とした。その賃料額は、提供した資金額に対する年18%又は年12%の割合に当たる額であり、これは利息の定め方とみるのが自然である。
カ 賃貸借契約書2には、原告が平成35年12月10日までに不動産2を買い受けることができる旨の売買予約の特約が記載されている。
キ 賃貸借契約書1及び2について、通常の賃貸借契約では授受されることの多い敷金、保証金等が授受されていない。
コロナ禍で自社の損益拡大に手段を選ばず!!
裁判は既に2審の大阪高裁に持ち込まれますが、和泉氏の証言でどう覆るのか興味津々で果たしてどのような判決が出るのか注視する必要があります。
少なくともコロナが猛威を振るい人流が制限されてお互いに経済活動が停滞して、このままでは「自社の損益拡大」が切実味を帯びてきたことで、トラスト管理は生き残るために手段を選ばずで、ハート管理が2ヶ月間滞納したことを理由に露骨にも一方的に契約を解約して、まさに昨日の友は今日の敵とばかり、なり振り構わず12件の裁判を起こし争うという手段に訴えてきました。
譲渡担保契約の成立
そして1審の大阪地裁は宣告通り、契約は譲渡担保であると結論し、トラスト管理の主張をことごとく退けて、1月13日に敗訴判決を言い渡して居ます。
恐らく、トラスト管理は大阪高裁に提訴して、大阪高裁で和泉氏の提出した陳述書が審議されることになるが、和泉氏は陳述書の中で譲渡担保であることを全く知らなかったと主張し、「誰1人として譲渡担保の「じ」の字も思っている人間は居なかったと断言できます。」とか、事実として「CTFG(シティトラスト不動産グループ)側から借りている不動産の賃料が払えず、追い出される話が出て居ないことや、RRG(令和リゾートグループ)から金を借りて不動産を購入し、その借金の担保に不動産名義をCTFに移している」というのは一度も聞いたことはありません。
上野氏と弁護士の打合せの中で、ありもしない「譲渡担保」という主張が練られたのだと思います。」とも述べている。
大阪地裁は状況証拠を積み上げて「譲渡担保」を立証
今回の大阪地裁が下した判決では、状況証拠を積み上げて行く事で「譲渡担保」であるとの結論を引き出していて、トラスト管理に敗訴を言い渡している。
更に和泉氏は「お金のないRRGが譲渡担保の主張ができるようになったのは、共生バンクから供託金を引き出せたからです。」とも述べていますが、全く知らなかったとする和泉氏の主張を巡って2審の大阪高裁で争われることになるが、大阪地裁が下した状況証拠を被告であるトラスト管理がどう切り崩せるのか極めてハードルは高いと思われます。これを和泉氏がどのように反論し証言するのか目が離せません。
和泉氏が文珠四郎氏に宛てた内容証明郵便とは!?
和泉氏は、2020(R2)年12月4日付けで、当時の文珠四郎氏が率いる第2白浜希望ヶ丘自治管理組合理事長であった文珠四郎氏に宛てた内容証明郵便で「管理事業とは関係のない不動産(道路式などの管理用値地等)については(中略)事業譲渡ではなく単純不動産売買により(実態上は譲渡担保であったところ)所有権をトラスト管理に移転登記しました。」
つまり、その管理用地の買収資金を当社がお借りした形で、約1億6000万円を返済するまでの間は、トラスト管理名義になっています。そのため、当初は私(和泉一)がトラスト管理の代表取締役を兼務しておりました。
そして、当社がトラスト管理をM&Aにより借入金を返済して道路式等の管理用地の所有権を回復するまでの間は、トラスト管理の親会社となる株式会社シティトラスト不動産と当社間で「事業用賃貸借契約書」(平成30年9月26日契約)を締結しております。
その道路敷等の管理用地の賃料として月額1,550,000円を金利代わりに、(中略)きちんと支払っております。」との記述があり、和泉氏は既に文珠組合宛の内容証明郵便にて、道路等管理用不動産の賃貸借契約について、実態は「譲渡担保」契約であると認識していて、問題はいつの時点で認識したのかということです。
対立が生んだ「譲渡担保」!?
しかし、「賃貸借を結んだ時点で譲渡担保であるとハッキリと主張しているわけではなく、譲渡担保契約であったとの主張は、シティトラスト不動産(以下CTFという)とハート管理の対立が表面化してから顕在化し、主張し始め、それ以前の、柴山と上野の関係は良好であって、「譲渡担保」と直接謳った文書は存在していない。」と思われます。
先のトラスト管理の大阪地裁判決ではトラスト管理が勝訴し、控訴審でCTFが逆転敗訴し、最高裁はCTFの上告を棄却しました。
ハート管理は「賃貸借契約」での「平成35(R5)年10月末までに1億8000万円を支払うことで、道路等管理用不動産を優先的に買い受ける事ができる」旨の特約条項の記載があることを根拠に、実態は「譲渡担保付き金銭貸借契約」であると主張し勝訴して居ます。
裁判を有利に進めるためには、適切な証拠を収集し整理して、そして信頼性を如何に高めるのかが必用です。多くの情報の中から裁判を有利に導く情報を探し出せるかに掛かっています。
その為に解釈によって異なる判断が下されているのも事実です。和泉氏が譲渡担保のことを、始めから知っていたかどうかは、本人以外の者には分かりません。
大阪地裁、理由を挙げて譲渡担保を立証!!
和泉氏は、いつ譲渡担保意識したかを立証する責任があり、1審の大阪地裁は一つずつ丁寧に理由を挙げて、譲渡担保であることを立証し結論を引き出している分けです。
和泉氏がそれらを知らなかったとしても譲渡担保では無いと言う証明には成らないことは明らかです。
結局、譲渡担保をいつ意識したかが争点に成りそうですが、少なくとも2020(R2)年12月4日に文珠四郎氏に宛てた書面では理解していたとなれば、全く知らなかったとする主張には無理があり、少なくともそれ以前のどの時点で知ったのかを和泉一氏自身が明らかにする必要が出てきたことは確かです。
裁判は記憶よりも記録が優先されます。大阪地裁の状況証拠から導き出した「譲渡担保」という結論を否定するには確固たる証拠を提出しない限り覆すことはできません。
和泉氏の陳述書は単に「感情的・心情的」な理由を挙げているだけで大阪地裁が下した1審の判決を覆すことは困難かと思われます。ましてや先のトラスト管理が起こした2審の大阪高裁が下した「譲渡担保」の判決を覆すことは極めて困難かと思われます。
果たして、大阪高裁の判決はまたしてもトラスト管理にとって厳しい判決に終わるのか、それとも和泉氏の陳述書が「採用」されるのか・・・!?