高校演劇2022でいちばん好きだったこの作品。青森中央高等学校の演劇です。


ストーリーは、とある高校の平穏な教室の昼休み。だけどそこに急にJアラートが発令し、北朝鮮のミサイルが飛んでくる。ところがその瞬間、時間が8分前にタイムリープしてしまい…という話。


あまりにも日常的な風景が、一瞬にして変わってしまう恐ろしさ…にぶち当たったとき、8分で人ができることとは何なのか。タイムリープしていることに気づいた一人の男子高校生のとった行動は。何もできないとあきらめるのか、何かできることを探して、どんな小さなことでもやってみようとするのかで、たしかに変化することがある…んだけど、それだけでは終わらないのがこの演劇作品のすごいところ。


男子高校生の行動によって、このクラスに隠されたある秘密が明らかになったとき、なんの変哲もない教室が一気にまったく違う景色に変わるところ、見事だった。世界の破滅を防ぎたい人がいて、世界の破滅を望む人がいて、そのあいだにはクラスメイトの数だけグラデーションがあって。笑えて泣けて、そして男子学生が出した答えに拍手を送ってしまった。


細かいところまで張られた伏線も見事だったし、最後の最後にピンクの子がとった行動も、絶望のなかにも本当は希望があるのかもしれないと思えて、そういうのって、とにかく行動していなかったら何もわからなかったはず。「やった後悔」「やらない後悔」って、こういうからくりになっているのだなあ。とにかくただ待つよりも、何かできることがあるならどんな小さなことでもやってみたほうがよいのかも…と励まされる。めっちゃ良かった!


年内は観られるらしいので、高校演劇みたことない方もぜひ。(検索にロックがかかってるようなので、こちらからどうぞ〜)



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