根本宗子さんの演劇。YouTubeではじめて観たんですけど、この方は天才だと思いました。

舞台はとあるカフェ。1組の男女が、仕事の失敗?の話をしている。たいへん饒舌な女の子の言葉、途中で心の声に切り替わると、どうやら相手に気を遣わせないようにしゃべりまくってしまっているらしい。あー、いまこの子のやさしさが、ものすごい勢いですれ違っていく…。そして場面が転換。

誰かのことを思う、励ましたい、でもそれ自体が相手を傷つけるかもしれないとき、たったのひとことでダメになっちゃうかもしれない、ダメだこの人のこと全然わからない、でもわかりたい、そんな人間関係の崖っぷちを歩きながら、でも関わることをやめたくない…という気持ちの全部がたった1時間のあいだにはちきれんばかりに詰め込まれてあってすごかった。

そんで最後のほう、わかりたいともがく、別の場所にいる人たちのテレコミュニケーションとか、外に出てくる言葉とは違う、心の中にうずまく言葉がほとばしるのも、ひとすじの希望のようでよかった。歌もダンスもよかった。

この演劇、コロナ禍のために無観客上映で、だからカメラが舞台に上がって自由に動くんですよね。さらに終演後には、根本さんと演者によるフィードバック風景が流れて、あんな細かくディレクションしてるのか!!とまた驚いた。ただやるんじゃなくて、演劇でしかできないこと、コロナ禍でしかできないこと、配信でしかできないこと、ってこういうことなんだ~、と何重にも感動した。根本さんの演劇、いつか生で観たい。



●おもしろかった演劇(隠居と銀幕より)




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