柳美里さんの中編小説で、芥川賞候補作。『フルハウス』に収録。
イラストレーターの主人公が、デザイナーの男性と不倫関係にあり、狂った妻は押し入れでもやしを栽培し始めるっていう(笑)。
柳さんは、狂ってる人を魅力的に描くのがむちゃくちゃ上手いと思う。この不倫されてる妻が、ほんといい味出してる。狂ってるのにちょっとユーモラスで、その狂気に当たりたくてページをめくる手が止まんなかった。
『フルハウス』『もやし』で芥川賞に連続ノミネートされ、『家族キネマ』で受賞するまでの、ほとばしる才気をしっかりグリップして、筆がぐんぐん追いついていく時期の中編作品群。順番に読むと最高に腹がふくれる!
●柳美里さんの本(隠居の本棚より)
・『フルハウス』
・『自殺』
・『家族シネマ』
・『タイル』
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●文庫出てます