KISS KISS ~異端の正統 | Future Cafe

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「FIRST ALBUM」KiSS KiSS

 

 

 あのお騒がせレーベルWACKから正統派アイドルユニットがデビューしたという。確かに坂道風のジャケット写真はWACKらしくない。正統派という時点で、すでにWACKにあっては異端なのだが、実際はエンパイアのメンバーが中心で、作詞にも元BiSHのアイナ・ジ・エンドとが参加していたり、歌詞にフランケンシュタインが出てきたり、正統派というのは言い過ぎで、あくまでも宣伝文句と捉えるべきだろう。

 とはいえ、①「KiSSES」や③「わんわんおーらぶ♡」、④「KiSS KiSS SUNSET」、⑨「SEEK」、⑩「Twilight」など、フルーツ・ジッパーあたりが歌ってもおかしくない楽曲も少なくない。

 しかし、これを正統派と呼ぶなら豆柴の大群や都内某所、さらにはBiSHにすらそうした瞬間を見て取ることはできる。どうせなら、アイドルソングとしての完成度を高めてWACKらしくないアイドルのあり方を徹底的に追求して欲しかった。⑤「KiSS KiSS KiSS」などはフロア向けトランスなのだが、WACKにしか作れないアイドルアルバムであることは間違いない。

 でもそれって、BISHやエンパイアがやってたことと何が違うんだろう?アイドル含有量の差なんだろうか。ももクロやでんぱ組がアイドルの概念を変えてしまって以来、何が王道で何が色物かが分からくなっている。