クレアは横浜に出現です。ランタン祭りへ知人と行ったようです。
静岡県、神奈川県と色々な所から来ているとの事です。
静岡県の知人「新幹線だと22分近いよ」
との事です。
他にもたくさんの人がいたとの事です。
話題は変わりますが、三木の宮本雅夫氏の鉋を紹介したいと思います。銘を「宝泉」と言います。新品で手に入れる事が出来ました。所有者が当時のことを紹介していました。「宮本氏自身が玉鋼の鉋と言っていた」との事です。しかし、真意は分からないとも有ります。昔比較的メジャーな鉋鍛冶が「玉鋼」と入れて道具屋に持ってきたそうです。
刃物店主「これは玉鋼とは違うだろう」
鍛冶「どうせ客は分からないから大丈夫だよ」
刃物店主「ふざけんな。お前は出入り禁止だ!」
さて、宮本さんを調べましたがそんな売り方をする方とも思えません。しかし、実際にこの鉋を所有した人は購入した店主から聞いただけに過ぎません。
弟子「玉鋼ですかねぇ?」
私「どうでしょうか、、、しかし明らかに特徴が有ります」
弟子「どんな特徴ですか」
一つ目ですが、錆びやすいと感じました。次に鍛接部分に特徴が有ります。他の鉋と比べても明らかに違います。悪い言いかたをすれば粗く見えます。別の言い方だと模様が有るように見えます。他の鉋では、綺麗に付いているだけと説明出来るのですが、この鉋は違って見えます。
*鍛接部分とは鋼と地金の境界線です。
*造る過程で鋼と地金を鍛接材でくっつけています
この鉋ですが味わいが有ります。例えば「圭三郎銘」の鉋はシンプルイズベストな感じです。作者の内橋さんの性格なのでしょうか。一方、碓氷健吾さんなどは有る意味ド派手なデザインです。時代も有ると思います。まだまだ、手工具が多く使われていた時代のものです。当時は恐らく人気の有る(名人)鍛冶さんが派手なデザインに出来たのだと思います。
弟子「名人でなくても派手に出来るのでは無いですか?」
私「出来る事は出来るけど、手間暇かけて派手にしても安くしか売れないのでは合わないでしょ」
手間をかけると数は出来ません。人気が無ければ値段は付きません。それと、名人でもないのにデザインだけ派手では格好も良く無いと思います。
鋼と地金の付け方に特徴が有ります。この鉋で始めて髪の毛を擦るだけで切る事が出来た事を紹介した事が有ります。
分かりにくいと思いますが、表馴染みに接する部分は横に目が付いています。
弟子「どうしてですか」
私「滑り止めでは無いかとの事です」
共裏も凝っています。多少のグラつきは有りましたが調整し現在は使えると思います。
台も良いですね。以前、近所の大工道具屋での会話です。
店主「昔は北関東(群馬か栃木か忘れました)で、赤目の樫材が取れたんだよ」
赤樫では無く、赤目の樫とお聞きしました。この台がそうなのかもしれません。販売した方の説明では赤目の樫とお聞きしました。私には赤樫と赤目の樫の区別はつきません!
横にも木目の模様を付けて有ります。そして、ハガネの入り方が良く分かります。早く木工教室で実戦投入したいですね。現在、新型コロナのためずっとお休みです。
鍛接に付いて以前大工道具屋さんで聞いた事が有ります。鍛接材の種類や昔と今などです。下の包丁は右が本焼きで左は霞(合せ)です。本焼きは一つの鋼材で造られるため鍛接とは無縁です。一方鉋や霞の包丁は地金と鋼と合わせる必要が有るため鍛接は必須です。
弟子「切れるに関係が有るのですか?」
私「温度には関係が有るでしょうね」
ここで知っている情報を整理したいと思います。
1.玉鋼は砂鉄をたたら製鉄する事で造られる
2.たたら製鉄の特徴は低温でゆっくり時間を掛けて玉鋼を作る
3.低温のため不純物が入らない。世界一不純物が少ない鉄とも聞く
4.本焼きは鍛接が不要な為高温にする必要がない
5.合わせ包丁は鍛接が必要なため高温にする事が多い
⑤番の多いとは、高温にする方が付きやすく作業がし易いと聞くためです。低温で造る技術は有ります。
弟子「まとめて下さい」
鋼は高温にすると粒子が大きく成るそうです。(表現が間違っているかもしれません)また、鍛える際に使う熱源でも変わるそうです。日本刀などは松炭を使用します。松炭を使うことで玉鋼の中の炭素が上手い具わいに抜けるそうです。別の熱源ではコークスが有ります。ステンレスなどは高温が必要な為コークスを使用すると言います。このコークスには不純物が含まれているという特徴が有ります。整理すると、
1.松炭は比較的低温
2.コークスは高温
3.コークスは硫黄などの不純物が含まれている
この事から松炭を使い本焼き包丁を造ると目の詰まった刃に成ると言えそうです。一方で、鍛接の必要な合わせ包丁は一度高温にするとすれば目は粗くなります。また、コークスを使用すると不純物と高温の影響を受けると思います。
本日のまとめ
鉋の場合は構造上合せて作る必要があるのだと思います。それでは合わせの刃物を造る際は全て高温にするのかと言えばそうとも言えません。大工道具屋の店主から温度に関する色々な話を聞いた事が有ります。鍛接材や温度で変わる様です。刃物ですが、造りやすさでは高温にする方が楽との認識です。低温でつくる難しさより高温でつくる方が合理的なのだと思います。その高温のデメリットが粒子レベルですが粗くなるようです。
宮本雅夫さんですが、松炭を使用していると読んだ事が有ります。宝泉が松炭で造られたかどうか、また鋼材が玉鋼かどうかも不明です。しかし、もっている鉋の中では一番切れる部類では間違いが有りません。
持っている包丁ですが、合わせの豪作は切れます。研ぎやすいとも感じています。一竿子忠綱の本焼ですが矢張り切れます。その切れ方ですが矢張り違います。豪作の切れ味はカミソリのような感じです。本焼の切れ味はスーッと切れる感じです。表現は難しいのですが矢張り違うと思います。
弟子「師匠の実力で分かるのですか」
私「、、、、、確かに、、、、このブログでの話にしましょう」
クレア「お父さん勉強したね」
私「ありがとう。知識は有っても損はしないからね」
クレア「博士だね」
私「、、、しかし直ぐ忘れるんだよね」
最後に妻にはお陰様で注文が入っています。
下の写真は「ココ君とビビアンちゃん」です。同じデザインの服をクレアも持っています。デザインは同じですが、生地の柄やボタンなどは違います。
弟子「オーダーメイドの良さですね」
私「刃物にも通じますね」
同じものは無いという事です