分かると出来るの違い(かつお節削り器の台の調整の巻) | ogricat-creationのブログ

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趣味の写真と、包丁を研ぐことなどを書いていこうと思います。
カメラはソニーのα7Ⅲを使用しています。

下の動画は本日最終のかつお節です。(2ラウンドマッチでした)
今日はかつお節削り器のセッティングを紹介したいと思います。先日寸四(カンナ)の裏を出す為に刃物店に行った事を記事にしました。同じ日にカンナの下端(削る面)の面を作りました。随分と時間もかかった事を紹介しました。
私「ところで、カンナの下端ですが3点で抑えると教わりました。2点で支えるともよく聞きますが違いは何ですか?」
さて、皆さんはこの答えを知っているでしょうか。当然、プロの方や詳しい人は知っていると思います。しかし、どうして全体を平面では無く2点や3点で抑えるかとの説明に
「全体を平面にするのは難しい為と聞いた事があるなぁ、、、」
このくらいしか知りません。本日は下端を考えて行きたいと思います。

かつお節削り器の下端を徹底的に平面にしましょう。そこで疑問です。かつお節削り器は2点、3点で支えるで合っているでしょうか。この疑問を解消するためにネットを探しましたが残念ながら見つかりませんでした。
 
刃物屋さんでの続きです。
店主「基本は3点だよ。最近は2点と良く聞くけど、一部では2点も使うけど3点が基本」
下の図ですが、3点では(上の図)カンナの下端を3点で支えている様子を図にしました。左端では中央と右(台尻側)の面で平行を保ちます。削り終わりの右端では中央と左(台頭側)で平行を保ちます。
 
店主「2点では削り終わりで支えが無くなるでしょ!」
次の図です。2点ではご覧の通り下駄が外され平行を保ち辛く成ります。
店主「大体、やり方は教えてもどうしてか(理由)を教えない。本などでもそうだよ。だからダメなの」
偶然にも私と同意見です。
私「確かに3点で支えるとは聞きますが、どうしてかは知りませんでした」
 
次にかつお節削り器を考えました。かつお節の本節は木材に比べると小さめです。図の一番下ではかつお節削り器の台を約2分の1の縮小した図を表しています。台の刃口と台尻を揃えてもそもそもかつお節の方が小さいため意味が有りません。恐らく全体を平面にした方が良いと考えました。
*合っているかどうか知りたくてネットで調べたのですが、刃の研ぎ方と刃の出し方以外の情報は見つかりませんでした。
私「取り敢えずやってみましょう」
 
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*上の図ですが、かつお節削り器に対してかつお節の大きさから言って(台に対してかつお節は小さい為)全体の平面が合っていないと綺麗に削れないと考えました。一番下の図はヨコから見たかつお節削り器を表しています。台尻から刃口まで(黄色い線)を平面にします。台頭にかけて(青い線)も平面でも良いかもしれません。しかし今回は紙一枚分下げてみました。
作業としては約2日間掛けて面を出しました。
*時間の問題です。
*時間を掛けて(ゆっくり)出した方が良いとも聞きます。

 

刃を研ぎかつお節を削ってみました。結論から言いますと良かったと言えます。
*もしも今回の事が正解ならば、かつお節削り器の台は大き過ぎない方が良いことに成ります。(サイズが大きいと平面を作るのが大変です)
*不正解の可能性も大です。中らずと雖も遠からずと成りそうです
*下の写真ですが、左端から段々と刃を出して行きました。

*刃を最小に出して削り、段々と出していく事で変化を見ました。

家族にも試食してもらいました。ご飯にかけて頂くなら薄い方が良いとの意見が出ました。

2番目と3番目くらいが丁度良いかもしれません。

この中では一番厚めです。そのまま食べると美味しいです。食感はフワフワからパリパリへ変わります。

 

最終の刃の写真です。今回研いでいて気付いたのですが、研ぎに関しては適当に研いでも上手く研げません。(見た目は綺麗な刃なので直ぐ刃が付くと考えました)手順を踏んで刃先を研がないとダメだと改めて教わりました。その結果として時間が掛かる事になります。
 

 

ここから、本日第2ラウンド目のゴングです。
「カン!」
研ぐを再度考えました。師匠の研ぎを思い出し考えました。師匠はベタ研ぎです。恐らく完璧な腕前だと思います。どうしても刃先を意識して研いでしまいます。しかし、ベタを意識して研ぐ事が正解なのかもしれません。力の入れ方から持ち方など変わってきます。

研ぎ方に関してはいずれ改めますがベタを意識して研いで見ました。

*基本的な研ぎ方は何時もと変わりません。

*ベタを意識して研ぎます。

最初の動画がその結果ですが、午前中よりもよく成りました。

*カンナの研ぎですが、今後の課題が出来ました。

今回は左端から少しずつ刃を引っ込めて行きました。

午前中より厚めの割にフワフワです。

*何方が正解かは不明です!

こちらは薄目ですが大きさが出ました。

*見た目では今回に軍配が上がりそうです

本日のまとめ

 師匠は中砥まで人造砥石、仕上げは合わせ砥です。研ぎあがりの時間もあっという間です。(私に比べれば)何が違うのか考えました。刃先の作りかたの工程が違うと思います。先ほど書きましたが私は刃先を作る為に全体を研ぎます。しかし師匠は全体を研いだ結果刃が付きます。新しい課題と成りました。また、及第点が付いた際にはご紹介させていただきます。

 

おまけコーナー

今回は下端定規を紹介したいと思います。下の写真ですが、カンナの下端の平面を見る道具です。金属製の物が主流かもしれません。私の定規は木製です。

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この定規の大切な事は測る面が平だという事です。

師匠「研ぐ際は砥石の面に気を付けてね」

私「はい」

 

この辺は包丁でも同じですから理解しているつもりです。しかし、出来ているかと考えてみると、

「出来ているつもり」と成ります。

 

分かると出来るでは違います。

後輩「分かっていますよ」

私「じゃ、説明してください」

後輩「分かってはいるけど上手く説明は出来ないんです」

私「じゃ、やってみてください」

後輩「分かってはいますが、上手くは出来ないんです」

私「世の中ではそれを、

出来ないと言うんですよ」

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