「天然砥石尚」さんが人造の名倉を作りました。今回私が「日本包丁研ぎ協会」のサロンメンバーという事もあり試す事が出来る様になりました。(届いた名倉が下の写真です)サロン内の事は書かない様にしているのですが、越後さんに確認をしたところ、「ブログに書いても大丈夫良いですよ」との事です。では記事にさせて頂きます。
さて、名倉をご存知でしょうか。一般的には砥石の上に違う成分を撒いて研磨力をアップさせるようなイメージです。今回の人造名倉の詳細な説明は出来ませんがやってみましょう。
先ずは下の図(図の上の絵)は天然砥石にピンクの名倉をのせたイメージです。その下が人造砥石(面が尖っています)に名倉をのせたものです。図を描いていて閃きました。
「3000番に3000番の名倉より、3000番に6000番(小さなもの)をのせた方が効果が有るのではないか」
つまりは、「引っ掻き回す」のではないかという事です。
*砥石の凸凹に名倉成分が入りゴロゴロと転がる事で研磨しているようなイメージです。その穴よりも小さな名倉の成分なら不規則な動きをする為研磨力が増すのではないかと考えました。
上の図ですが、同じような形の物体よりも、不揃いの集まりの方が力が発揮するのではないかと成ります。3000番に6000番の名倉を掛けてみました。
「とても掛かりが良いと思います」
北山(8000番)に20000番をのせてみました。
刃先を確認しましたが、とても良いと言えます。元々銀三の包丁は良い刃が付けられず相当悩みました。(その事も記事にしました)そこから考えると感動ものです。
お遊びで天然砥石の菖蒲谷に8000番の人造名倉を掛けてみましょう。
切れ味ですが、人造の方が上だと思います。理由は分かりませんが事実です。
切れ味は変わらず滑らかさは増しました。
田村山ですが、名倉無しで普通の刃付けです。
切れ味は増しました。
ハッカ山は伝家の宝刀です掛けてみましょう。切れ味と滑らかさはマックスです。矢張り相性は良いのでしょうか。しかし、掛かりは少し減ったようにも思います。
*掛かりとは引っかかりです。恐らくノコギリ状の方が掛かりは良いと思います。