いつも荻窪カメラのさくらやをご利用いただき誠にありがとうございます。
2月14日(水)から16日(金)の3日間、道東、釧路・羅臼を巡る撮影研修旅行、
いよいよ3日目最終日、16日(金)の後編レポートです。
前編・中編の記事はこちら
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タンチョウ鶴のねぐら「音羽橋」は多くのカメラマンが訪れる人気の撮影スポット。
早めに到着できるよう、集合時間は…4:30です(早い!!)
ここ数年は天候に恵まれず訪れていなかっただけに、期待も自ずと高まります。
外気はおおよそ-14℃、移動中バスの窓ガラスは車内との温度差で結露が氷状態でした。
早めの出発でしたが、音羽橋には既に多くのカメラマンが。
寒さに耐えながら各々空いたスペースに三脚を立て、カメラのセッティング。
そして夜明けとともに、息をのむほどの美しい世界が目の前に広がってゆきます。
機材:OLYMPUS OM-D E-M1 MarkII M.ZUIKO DIGITAL ED40-150mm F2.8 PRO★ F4 1/250秒 ISO1600(撮影:田辺)
機材:FUJIFILM X-T2 XF100-400mm F4.5-5.6R LM OIS WR ★ F5.6 1/60秒 ISO200 -0.3(撮影:足立)
ゆらゆらと川霧が立ち昇る光景はとても幻想的。
一時、樹氷と川面がピンク色に染まります・・・これがまだ・・・美しい。
極寒の中、桜が咲いているようにも見えます。
(左) 機材:FUJIFILM X-T2 XF100-400mm F4.5-5.6R LM OIS WR ★ F5.6 1/56秒 ISO250 (撮影:元吉)
(右) 機材:NIKON D500 AF-S 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR ★ F4.8 1/10秒 ISO100(撮影:櫻井)
機材:OLYMPUS OM-D E-M1 MarkII M.ZUIKO DIGITAL ED40-150mm F2.8 PRO★ F4 1/250秒 ISO800(撮影:田辺)
↑の写真、PCのモニターでは見えづらいですが、大伸ばしプリントすると左側の樹氷が
陽の光を浴びてキラキラしているのがよくわかります。
プリントすると、デジタルの画面上だけでは分からないこういった魅力に気づくことがあります。
作品をより良く魅せる大伸ばしプリント、オススメです。
話が逸れましたが、
日の出からほんの数十分のうちに光が差し込んできて、川の照らされ方も大分変わってきました。
機材:FUJIFILM X-T2 XF100-400mm F4.5-5.6R LM OIS WR ★ F5.6 1/200秒 ISO250 -0.3(撮影:元吉)
機材:FUJIFILM X-T2 XF100-400mm F4.5-5.6R LM OIS WR ★ F5.6 1/420秒 ISO400 (撮影:足立)
機材:Canon EOS 7DMarkII EF100-400mmF4.5-5.6L IS II USM ★ F8 1/1000秒 ISO400 (撮影:オッル)
機材:Canon EOS 5D Mark IV EF100-400mmF4.5-5.6L IS II USM ★ F8 1/320秒 ISO200 +0.3(撮影:歌川)
大勢の人が橋に並び、撮影をしていました。
2年前の旅では、この音羽橋の真上をタンチョウ鶴が飛びましたが、
今年は早朝だからか、鶴達はまだオネムのようでした。
音羽橋での撮影が終了し、改めて朝食。
この後は『SL撮影班』『タンチョウ鶴撮影班』の二手に分かれて撮影に向かいます。
SL撮影班は釧網本線を走る冬の湿原号を狙い撮影ポイントへ、
タンチョウ鶴撮影班は、鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリへ向かいました。
--- SL撮影班 ---
SL撮影班が狙う、釧網本線を走る「冬の湿原号」。釧路駅から標茶駅区間を一日一往復しています。
SL列車はゆっくりと走っているので、区間内にはいくつかの撮影ポイントを回ることができます。
先ずは釧路-東釧路間の釧路川鉄橋へ。
最初にやってきたのは気動車、前面に雪がこびりついて北国の冬の厳しさを実感。
この時間帯はまだ河原の枯れ草にも霧氷が見られました。
機材:OLYMPUS OM-D E-M1 MarkII M.ZUIKO DIGITAL ED40-150mm F2.8 PRO★ F6.3 1/800秒 ISO200(撮影:田辺)
この後時間が経つにつれ霧氷は融けてしまい、SL通過時はほどんどなくなってしまいました…残念。
次の列車が通過するまでの時間、鉄橋にはカモメがのんびりひと休み中。
「冬の湿原号」やってきました!!
2000年から運転が始まり、今では道東冬の風物詩として定着しています。
機材:Panasonic DC-G9 LEICA DG ELMARIT 200mm/F2.8 / POWER O.I.S.[H-ES200] ★ F8 1/1000秒 ISO200(撮影:嶋田)
パナソニックのG9 PRO、第一印象は正直「マイクロフォーサーズ機としては大きいな…」でした。
しかし実際手に持ってみるとホールド性や操作性の良さを感じられ、しかるべきサイズだと気が付きました。
写真に繊細なトーンや立体感があり、今回使用したLEICA DGレンズの高性能と相まって
マイクロフォーサーズ機とは思えないほどの高画質に驚きました。
6.5段ボディ内手ブレ補正や高速AF、またAF追従連写(AFC) 約20コマ/秒、AF固定連写(AFS) 約60コマ/秒の
メカニズムがその描写を支えてくれます。
堅牢性の高いマグネシウム合金フレームや、マイナス10℃の耐低温設計により、
冬の北海道という過酷な環境でも安心して撮影が出来ました。
続いての撮影ポイントは塘路-茅沼間、ここでは真正面からの撮影です。
駅を発車してダッシュするポイントなので、盛大な煙が期待できます!
機材:OLYMPUS OM-D E-M1 MarkII M.ZUIKO DIGITAL ED40-150mm F2.8 PRO★ F4 1/3200秒 ISO200(撮影:田辺)
オリンパス OM-D E-M1 Mark II は高速AF 高速連写搭載さらに小型軽量システムなの圧倒的な機動力を実現、
カメラグランプリ三冠受賞等、2017年度を代表するカメラと言っても過言ではありません。
今回のような野生動物の撮影や鉄道撮影は最も得意とする分野なので、余裕でこなしてくれます。
サクサク動き、気持ちよくピントが合うので撮影する事が楽しくなるカメラです。
続いて、次の撮影ポイントに向かう予定でしたが、、ご参加のお客様が空を見上げて何か撮影しています・・?
近づいてみると、なんと! 癒し系野生動物人気急上昇中の「シマエナガがいるよ」との事。
急遽予定を変更して、早速皆で狙ってみました。
(左)機材:OLYMPUS OM-D E-M1 MarkII M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO+MC-14 ★ F5.6 1/1000秒 ISO400(撮影:田辺)
(右)機材:FUJIFILM X-T2 XF100-400mm F4.5-5.6R LM OIS WR ★ F6.4 1/1100秒 ISO400(撮影:足立)
肉眼で見るととても小さく、また、枝の間で細かく動くためなかなか姿を捉えられません。
35mm換算で600~840mm相当のレンズにも拘らず、、遠いです
それでもその白くてふわっふわな可愛らしい姿をなんとかカメラに収めることができました!!
最後の撮影ポイントに向かう途中、SL撮影チームは昼食をいただきます。
釧路「南蛮酊」さん、ボリューム満点のひとさら「ザンタレ」。
3カ所目、最後の撮影ポイントは、釧路湿原-細岡間、
釧路湿原を上から望める小高い丘の上まで、雪をかき分けて進んで行きます。
ここでは雄大な釧路湿原を走るSLを俯瞰構図で撮影。
機材:OLYMPUS OM-D E-M1 MarkII M.ZUIKO DIGITAL ED40-150mm F2.8 PRO★ F4 1/250秒 ISO200(撮影:田辺)
--- タンチョウ鶴撮影班 ---
(左) 機材:NIKON D500 AF-S 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR ★ F5.6 1/1600秒 ISO100(撮影:櫻井)
(右) 機材:NIKON D500 AF-S 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR ★ F5.6 1/1600秒 ISO100(撮影:櫻井)
鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリは、初日訪れたタンチョウ観察センターとは少し違い、
撮影場所もタンチョウ鶴がいる場所も、少し傾斜があるところです。
傾斜の下方から丘の上を歩く姿を狙ったり、反対に上方からやや俯瞰気味に撮影したりと、
場所を移動して画面に変化をつけられるのがいいですね。
とても寒い日でないと見られない、タンチョウ鶴が白い息を吐く姿も見られました。
機材:Canon EOS 7DMarkII EF500mm F4L IS II USM ★ F5 1/4000秒 ISO200 -0.3 (撮影:歌川)
いつもはこの↑キヤノン EOS7DMarkIIと EF500mmF4LISII で飛行機の撮影をしています。
飛行機撮影の場合は基本手待ちでの撮影、被写体が見えてきたら構えて撮影するスタイルです。
今回の撮影は野鳥相手ですので何時どのような動きがあるか分かりません。
ずっと構えている事は不可能ですので三脚を使用いたしました。
使用したのはマンフロット ナイトロテックN8ビデオ雲台+535カーボン三脚 MVKN8Cです。
2017年11月に発売になったこのナイトロテックN8ビデオ雲台は、窒素封入式の「ナイトロジェンピストン機構」を採用し
0kgから8kgまでの無段階カウンターバランスを実現したという画期的なビデオ雲台。
EOS7DMarkII+EF500mmF4LISIIの重さは約4.5Kg。その組み合わせを載せて使用しましたが、カウンターバランスは取りやすく、またその動きも非常にスムーズで使いやすいものでした。
非常に人気のあるビデオ雲台ですが、その実力のほんの一部ですが体験できました。
機材:α9 [ILCE-9] FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS[SEL100400GM] ★ F5.6 1/2500秒 ISO200 (撮影:名古屋)
(左) 機材:FUJIFILM X-T2 XF100-400mm F4.5-5.6R LM OIS WR ★ F5.6 1/3200秒 ISO200 (撮影:元吉)
(右) 機材:FUJIFILM X-T2 XF100-400mm F4.5-5.6R LM OIS WR ★ F5.6 1/1700秒 ISO200 (撮影:元吉)
機材:Canon EOS 7DMarkII EF100-400mmF4.5-5.6L IS II USM ★ F9 1/800秒 ISO200 (撮影:歌川)
と、ここでまさかのミラクルが・・・!
クロヅル、目の前に飛来。
機材:FUJIFILM X-T2 XF100-400mm F4.5-5.6R LM OIS WR ★ F5.6 1/5400秒 ISO200 (撮影:元吉)
他のタンチョウ鶴と違い、単独で降りてきました。
にわかにザワつく地元の方やガイドさん達。
後で調べて分かったことですが、鶴居村にクロヅルが見られるのは実に32年ぶりだったんだそうです。(毎日新聞記事)
機材:FUJIFILM X-T2 XF100-400mm F4.5-5.6R LM OIS WR ★ F5.6 1/7000秒 ISO200 (撮影:元吉)
クロヅルは他の鶴たちより一回り小さめ。
比べてみると、炭のような黒色の羽がよくわかります。
元来、縄張り意識が強いタンチョウ鶴。
他所者のクロヅルは大多数の白鶴に威嚇されて角に追いやられ・・・奥の林へ姿を消していきました。
頑張れ!クロヅル!
周辺の樹にとまるシマエナガがいないかと近辺をあるいたりもしましたが、
タンチョウ鶴班はシマエナガを撮影することはできずでした
バス移動中、キツネも発見!!
北海道の雪原は、点々と大小数多くの生き物の足跡が残っていて、
静かな中でも生き物の気配をしっかりと感じられます。
タンチョウ鶴組は鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリを後にして、
もう一度2日目に訪れたエゾフクロウの撮影ポイントに向かいました。
機材:Canon EOS 7DMarkII EF500mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4×III ★ F8 1/60秒 ISO200 -0.3 (撮影:歌川)
ご覧ください。
まる一日ジッと待っていたかのように、昨日と全く同じ佇まいです。
この時は少し横を向いたり、一瞬目を開けてくれたり、昨日よりちょっとだけサービスしてくれました。
機材:Canon EOS 7DMarkII EF500mm F4L IS II USM ★ F6.3 1/125秒 ISO200 -0.3 (撮影:歌川)
道東の旅2018はこれにて終了となります。
今年は流氷こそ無かったものの、天候に恵まれがらも雪が程よく残り、
2羽同時に飛来したシマフクロウに出会い、クロヅルに出会い、エゾフクロウも洞にちゃんといてくれて、
とても恵まれた年になったと思います。
(翌日の17日から、北海道の天気は大荒れだったようです)
ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。
そして、お疲れ様でした!
現地コーディネーターのT様、大変お世話になりました。
道東の旅、次回も感動の景色に出会えますように
今回使用した撮影機材 キヤノン EOS 5D Mark IV【★】、EOS 7D mark II 【★】 befree live ビデオ三脚キット MVH400AH付[MVKBFR-LIVE]【★】 |