日頃 荻窪カメラのさくらやをご愛顧頂き誠にありがとうございます。
パナソニックより、DC-S1RM2が2025年3月27日に発売となりました。
こちらは新開発の約4430万画素裏面照射型CMOSイメージセンサーによる、卓越した描写性能を実感できる新製品です。
今回はDC-S1RM2(以下S1RII)を片手に、春を求めて撮り歩いてきました。
しかし...
寒の戻り&雨天のダブルパンチ。
今回は色彩を欠いたモノトーンの世界観でお送りします。
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
フォトスタイル:LモノクロームS 粒状:LOW
S1RIIはモノクロの表現力が非常に豊かなのが特徴の一つ。
今回は軟調で柔らかな印象の「LモノクロームS」と、メリハリのあるコントラストが特徴の「LEICAモノクローム」で撮影を行いました。
使用したレンズはLUMIX S 50mm F1.8 [S-S50]
単焦点らしい端正な描写が楽しめました。
車の助手席から撮影。
進化したAFと手ブレ補正性能のおかげで、ラフに撮ってもしっかりとカメラが仕事をしてくれます。
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
LEICAモノクロームはハイライトとシャドーのメリハリが効いていますが、決して不自然さを感じさせない上品なトーンが魅力的です。高解像度も相まって、雨粒の波紋も細かく描写してくれます。
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
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お気に入りの自販機。
田舎者の私はこうした「ポツンと自販機」に出会うと郷愁を感じてしまいます。
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
LモノクロームSは全体に柔らかなトーン。
こうした光景でも僅かに温かみを感させてくれます。
フォトスタイル:LモノクロームS 粒状:LOW
濡れた根っこはモノクロの恰好の被写体。
フォトスタイルを比較してみました。
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
フォトスタイル:LモノクロームS 粒状:LOW
濡れた部分のハイライトがLEICAモノクロームの方が際立っており、このような被写体ではLEICAモノクロームが好ましく思えます。同じ被写体でもかなり違った印象となるため、使い分けによって表現の幅が広がります。
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
フォトスタイル:LモノクロームS 粒状:LOW
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
S1RIIは、その場の湿度を含んだ空気感を拾ってくれるような気がします。
高画素のフルサイズセンサーもそれに加担していますが、どうやらそれだけでない絵作りのセンスがあるような...。
光に対する豊富な解釈を持っているカメラ、という印象です。
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
カメラを構えて瞬間をじっと待つ。
S1RIIは前期種S1Rと比べ大幅に軽量化されたため、重さを気にすることなく撮影に没頭できました。
しかしいたずらに軽いわけではなく「写真を撮っている」という確かな実感が得られる丁度良い重さです。
フォトスタイル:LモノクロームS 粒状:LOW
フォトスタイル:LモノクロームS 粒状:LOW
フォトスタイル:LモノクロームS 粒状:LOW
どこか中判フィルムを彷彿とさせるトーンの豊かさ。
LEICAモノクロームの完成されたトーンは頼もしい限りですが、個人的は「LモノクロームSでやや露出アンダーに撮る」というレシピも気に入りました。
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
フォトスタイル:LモノクロームS 粒状:LOW
フォトスタイル:LモノクロームS 粒状:LOW
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
思い切って露出を切り詰めてみました。
シャドーの奥深さがあり、よりハイライトが際立ちました。
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
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水滴の一粒一粒にもトーンが残っており、葉が内包する瑞々しさを感じられます。
再びフォトスタイルを比較。
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
フォトスタイル:LモノクロームS 粒状:LOW
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こうした明暗の差があるシーンではLモノクロームSが好ましく思えます。
LEICAモノクロームは状況によってはコントラストが高く、目が疲れることもありました。
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
植物だけでなく、こうした金属のヒンヤリした質感とも非常に相性が良かったです。
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
フォトスタイル:LEICAモノクローム 粒状:LOW
雨は雨らしく、植物は植物らしく、金属は金属らしく...
あくまでもその様に描写しながら、やや現実とズレたところに着地する描写。
そのズレが写真に現実以上のリアリティを生じさせることがあるような...。
そうした写真を目指しているのですが、なかなか難しいのも現実。
S1RIIを使ってみて感じたことは、それを追及するための引き出しの多さです。
今回は「LモノクロームS」と「LEICAモノクローム」の2種類のフォトスタイルで撮影しましたが、モノクロに関しては全5種類、カラーに関しては全7種類、他にもシネライク等が6種類。合計18種類ものフォトスタイルが搭載されています。
そしてそれぞれの色味やトーンを細かく調整可能なので引き出しは無限にも思えてきます。
様々なフォトスタイルで撮り比べて楽しむのも良し。
新たに「MY PHOTO STYLE」を編集し引き出しを増やすのも良し。
お気に入りのフォトスタイルをストイックに使い込むのも良し。
撮影者の理想に合わせて様々な引き出しを用意してくれる、懐の深いカメラでした。
S1RM2で新く搭載されたフォトスタイル「シネライクA2」にて撮影。
ノスタルジックで優しい風合いのフォトスタイル「Lクラシックネオ」にて撮影。
この春はパナソニック S1RII を持ってフィールドへ飛び出してみませんか?
以上、最後までご笑覧いただきありがとうございます。
パナソニック DC-S1RM2M R-24105レンズキット