インド亜大陸旅行記 -50ページ目

インド14日目 バラナシ

 

『人生の果て』



天気がとても良かったので、太陽の光を浴びながら宿の屋上でヒンディー語の勉強をすることにした。
が、5分で終了。
隣に座っている10歳の少年は学校の宿題を黙々とやっているのに(しかも、高校で習うような因数分解とかしてたし…)。
情けないことである。

お昼も近くなったので、マニカルニカー・ガートへ火葬を見に行くことにした。
道中のヴィシュワナート寺院周辺は、薄暗くて細い路地やヒンドゥー教徒しか入ることのできない場所があり、いかにも迷子になりそうな感じの場所である。
しかし、時々、布に包まれた死体が火葬場へと運ばれて行ので、その死体の後を追いかけ、なんとかマニカルニカー・ガートに着くことができた。

早速、火葬を見物。
想像では、ものすごい炎の中に死体を投げ込み、宗教的な儀式が壮大に行われているものだと思っていた。
ところが実際に見てみると、まるでキャンプファイヤーをするかのように木を組んで土台を作り、その上に死体を載せるだけの簡素なものだった。
簡単な儀式を済ませて藁で火をつける。
しばらくすると、まるで蝋人形が燃えているかのように、ゆっくりと外側の布から溶けていく。
とても人間が燃えているなどとは想像できない。
しかし、徐々に筋肉が見え、内臓が飛び出したりしてくると、人間が燃えてるんだということが理解できる。
火葬している人が、炎からはみ出した死者の足を折り曲げて火の中に突っ込んだりと、雑に扱ってるのは見るに耐えない。

人生の果てとはこんなものか…

火葬を見終わった後、昨日と同じようにダシャーシュワメード・ガートへ行く。
昨日と同じようにマッサージ屋も散髪屋も髭剃り屋もポストカード売りの子どもも、変わらない場所で変わらない商売をしている。
髭剃り屋のオヤジは、客が血を流しながらも何食わぬ顔で剃り続けているし。
きっと明日も明後日も、この先もずっと変わらない風景なんだろう。

ゲストハウスに帰り、もうひとりの旅行者であるK氏と話しをする。
彼は会社を辞め、香港→中国→チベット→ネパール→インドと自転車で旅していて、これからインドの最南端であるカニャークマリへと行くそうだ。
自分の本当に好きなことをやっている人は、やはりどこか違う。
心の底から“今”を楽しんでいるのが羨ましい。