インド亜大陸旅行記 -2ページ目

62日目 インドール→ボーパール

『護送車に乗る』



クルックー、クルックー…朝から鳩がうるさい。どうもベランダに住み着いているらしく、カーテンを開けてみるとたくさんの鳩が集っていた。いつも通りの早起きとなる。昼過ぎまでのんびりと寝てみたいなんて事を考えながら出発の用意をする。今日はマディヤ・プラデーシュ州の州都“ボーパール(Bopal)”まで移動である。


フロントでマネージャーにお礼を言い、チェックアウト。Sarwateバスステーションまで歩くのだが、昨日降った雨の影響で地面がぬかるんでいて歩きにくい。しかもサンダルなので数分もしないうちにドロドロになってしまった。一度降った雨でも大変なので、雨期にインドへ来るのは衛生面でもかなり大変だと思った。


バスステーションに着くと、やたら「ボーパール!ボーパール!」と叫んでいる人たちがたくさんいたので、プライベートバスの勧誘だと思っていたのだが、ガバメントバスの車掌だった。他の州では、車掌はちゃんと制服を着ていたのですぐにそれと分かったのだが、ここMPの車掌は思いっきり私服で仕事してるので非常に分かりにくい。バスはすし詰め状態でボーパールへ向けて走り出した。

バスのシートは狭いので横の乗客と触れ合うのだが…隣のオッサン、新聞を持つ手を俺の股間に乗せてきた。すぐにどけるだろうと思い放置しておいたのだが、どける気配なし。嫌な予感が頭をよぎった…ホモか?しかし、オッサンは何事もないように新聞を読み続けており、変な様子も無い。ホモでなくても股間の上に延々と手を置かれるのは気持ちのいいものではないので、オッサンの手を退けたのだが、何のリアクションも無い。股間に手を置こうが何しようがお構いなし…恐るべしインドである。


もう一つ恐るべしな事がある。インドのバスは時として“護送車”にもなるのだ。今回のバスにも手錠をはめられて腰縄をされた悪党2名が、ライフルを持った警官と一緒に乗っているのである。彼らは隔離される訳でもなく、他の一般乗客と一緒に乗っている。休憩でも一緒にバスを降りて食事をする。こっちはなにかあったらと思うとヒヤヒヤである。犯人と一緒に旅をするのはこれで2回目、あまりいい気分はしない。


15時、ボーパールに到着。州都なのにバススタンドが小さすぎるのに驚いた。バスを降りるとおせっかいな人々がたくさん寄ってきたので、いつものようにあしらうのだが、なかなかしつこい。他の人に尋ねているのにもかかわらず横から話に入ってくるし、最悪である。相手にするとややこしいのでこれは根競べだと思い、完全無視していたら諦めてどこかへ行ってしまった。


宿を探しに行く前に、翌日乗るカジュラホ行きのバスチケットを買うことに。混雑している窓口に行くと、「入ってきていいよ」と言われたので事務所の中に入れてもらった。事務のオッサン達と楽しく話しながらチケットを発行してもらう。こういうのは旅行者の特権である。


スムーズにチケットを発行してもらい、肝心の宿探しへ。何となく大通りを歩いていると、ホテルの大きな看板があったので行ってみることに。“Hotel Shivalik Gold”と書かれた建物へ入り、フロントでさっそく料金交渉。1泊300Rsと言われたが、インドールでも贅沢に300Rsの所に泊まってしまったので無理である。「ありがとう、別の安い宿探します」と言って出て行こうとしたのだが、オッサンが慌てて「250Rsでどう?」というのでOKし、泊まる事にした。(200Rsまで下がりそうな気もしたが、それ以上の交渉はやめておいた。)


部屋に入るとラブホテルのようなダブルベッドが備え付けてあり、頭のコントロールパネルにはインドでは見たことがない照明などの調節ツマミが付いてたりと、妙な気分になった。ボーパールは旅の中継地であって観光地ではないので特にすることがなく、部屋のテレビでサッカーを見ながらマッタリと過ごす。

時々黒い物が視界を横切るので何だろうと目を凝らすと、“蚊”だった。室内はものすごく寒いのにもかかわらず、驚くことに無数の蚊がたくさん飛んでいる。さっそく蚊を撃退する事にし、10匹ほど捕まえて処分した。


明日、“サーンチー(Sanchi)”へ行くと、カジュラホ、バラナシ、カルカッタで旅も終わりである。長いようであっという間に過ぎてしまった2ヶ月だった。2月はゆっくりインド文化を満喫したい。