3月7日(木)
僕はヲタク気質、コレクター気質がありますので、部屋の中はモノで溢れかえっていました。だから引っ越しは大変でした。
3月は引っ越しシーズンで料金が割高な上、レオパレス問題があるので、引っ越し屋はパンク状態。なので今回は業者に頼むのは無理!と判断しました。
そもそも素寒貧なので引っ越し費用を極限まで切り詰めようと計画していました。
その結果、僕が選んだ方法は、全部ひとりで荷造りをして、段ボールを郵便局へ持って行くという、修羅のような選択デシタ。
段ボールは約50個以上アリマシタ…。
それを台車に積んで、えっちらおっちらと自宅と郵便局を何往復するのですが、ホントに大変でした。途中何度か台車から荷物が転げ落ちました。
「ううっ、ワシはアホと違うやろか?」
あまりの重労働に何度もそう自問自答しました。
なんでこんな選択をしたんだ?まるでピラミッド建設じゃないか。荷物が多すぎて、結局業者に頼むのと値段も変わらなかったし…。
でも郵便局の人が異様に僕を応援してくれるようになりマシタ。
「今日はあと何往復するの?お昼は食べた?腰にくるから気をつけて!がんばりすぎちゃダメよ!身体を壊すワヨ!」
などなど、たくさん親切な言葉をかけてくださいました。
フラフラになってる僕を、もう見ていられないと、上司にかけ合って台車を貸してくださいマシタ。とにかく気にかけてくださり、それがめちゃくちゃ嬉しかったのデス。感謝、感涙。
冷酷非情な職場にいて神経がおかしくなっていた僕には、素朴な人情が一番の特効薬でした。本当に嬉しかったのデス。
人にやさしくしてもらうのって、こんなにも嬉しいコトなんだ!だったら僕も人にやさしくしなきゃ…。
50も過ぎてようやく分かってきた人情の大切さデス。
バカでもなんでもいいです。斜に構えたモノの考え方はもうウンザリ。大切なのは笑顔と思いやりだけデスヨ。
イジワルや悪意なんて絶対に認めない。
そんな場所には1秒たりともいたくない。
最後の段ボールを運び終えた時、郵便局のおばさんが笑顔で話しかけてくれました。
「カドモリさん、大阪でもがんばってくださいね!せめてもの私達の気持ち!受け取って!」
そう言って僕に郵便局のボールペンやポケットティッシュをくれました。
カドモリじゃねーし、とか思いながらも僕は胸がジーンとなりました。
嬉しい。やさしい気持ちが嬉しい。ホントに泣けてくる。
僕は胸がジーンとするために生まれてきたんだと確信しました。それを信じます。
そして人の胸をジーンとさせるために生きていくんだ、とも。
人情、思いやり、イジワル撲滅!選挙公約ではありません。僕が胸の中でつぶやく小さなマントラです。
人の世は目を覆いたくなる悪魔の所業ばっかりですよ。
だから僕は楽しいこと以外、ハッピーなこと以外は信じない。断固として逃げる。僕は逃げまどう。
そして自分が拠って立つこの大地を、絶対に明るくて楽しい大地にしてみせる。
そう強く強く誓った東京ラストデイでした。
アデュー。ありがとうネ、東京。