セクハラやパワハラと並んで会社員を悩ます攻撃として「カスタマーハラスメント(通称カスハラ)」というものがありますが皆さん聞いたことがありますでしょうか。
特徴は加害者が部外者だという点で、顧客や第三者が立場の優位性を盾にクレーマー行為等を行い、従業員が被害に遭うことを言います。顧客・利用者側であるため逆らえないであろう状況下での威嚇行為は許されるものではなく、その殆どは「暴言」、「説教」、「権威的な態度」、「屁理屈」、「自己論の押し付け」が占めます。コロナ禍による人手不足によるサービスの低下はどこの企業でも顕著で、それに比例するようにカスハラの発生件数も急増しています。お怒りの原因は、大体「顧客側の勘違い」・「嫌がらせ」・「商品の不備」・「サービスの不満」・「不機嫌による八つ当たり」などが主なところでしょう。
会社員なら経験があると思いますが、カスハラはどのような会社にも必ず訪れる避けようのないトラブルの火の粉です。ゼロにすることは物理的に不可能です。更に日本社会の伝統から“お客様は神様”である以上、従業員はそのハラスメント攻撃を耐えるしかありません。たまたまそういう電話を取ってしまった不運といってしまえばそれまでですが、カスハラを放置していたら従業員の精神が病んでしまいます。つまり、カスハラ対策の措置をしていない会社は労働安全衛生法違反だということになります。今やカスハラに対する制度を設けるのは現代社会では企業努力ではなくもはや企業義務なのです。
カスハラに屈せず断固容認しないという企業方針を設けていますか?社規に対応策を明記していますか?社員の精神サポート体制ができていますか?クレーマー対応マニュアルは完備されていますか?これら制度が完備されている会社は全国的に見てもまずないと思われます。企業は早急に検討し実施する必要があると思います。
相手はお客様だから…、ウチはサービス業だから仕方がない…、顧客の声は大事だ…、中にはそういう人もいるよ…、こんななぁなぁにしている企業はいつまで経っても従業員の安全を守ることなどできないと思います。一歩間違えれば皆さんの部下の命が失われるかもしれないと考えたことはありますか?生命の危機に瀕する出来事なわけですから、クレーマーとは拳銃を発砲して会社に押し込まれているのと何ら変わりありません。
オフィスタはママさんハケンという事もあり、家に帰れば子の親ですからストレスを抱え込むのは子供の育児上も宜しくありませんし、従業員の中にはマタニティ妊産婦もはたらいていますので、いくら業務上のこととはいえ従業員が犠牲になるのは避けなければならないし対策は必要だと感じています。
オフィスタでは今後社会的に増大するであろうカスハラ対策として以下の規律を定め従業員に徹底し安全に基づいたサービス提供に努めることといたしました。賛否はあるかと思いますが育児者やマタニティ従業員などの心身健康も考慮して寛大なご理解を頂戴いただけると幸いです。
とはいうもののこの規定が実際には発動する場面がないことを祈りつつ日々の業務が円満且つ適切に勤務できればいいなと思っています。
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第33条 労働安全衛生法によるカスタマーハラスメント対策 当社サービス内容またはその実施に異議異存並びに不平不満を含む申し立てや問い合せが部外の第三者より行われ精神・肉体を含む攻撃性を有していると判断した際はその対応を拒むことを許可する。当社規定の定めを逸脱した内容に関するクレームまたはクレーマーの類であると対応者が判断した場合、そのハラスメント攻撃から当社従業員の心身安全を保守するため、労働安全衛生法の遵守の観点からそれら電話・メール・FAX・手紙等への対応または返信や回答は行わないことを徹底する。 -日本プランニング業務運用指針より抜粋- |
先日マクドナルドの女性従業員がクレーマー顧客に対し屈することなく毅然とした態度で対応し、危険を感じたときは周囲の客前であっても自己の判断で即座に警察を呼んでいる場面を目撃し、さすが国内最大手のサービス企業だけあって社員教育が徹底しているなと感心したものです。従業員の安全に対して企業は何をしますか?
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